食品表示法改正2025年の義務化内容と事業者対応

食品表示法改正2025年の義務化内容と事業者対応

食品表示法が2025年にどう改正され、事業者や消費者にどんな影響があるのでしょうか?栄養成分表示や機能性表示食品制度の変更点、アレルゲン表示の最新情報を解説します。

食品表示法改正2025年の概要

食品表示法改正2025年の主要変更点
📋
栄養素等表示基準値の改正

日本人の食事摂取基準(2025年版)に基づく最新の基準値に更新

🔬
栄養強化添加物の表示義務化

栄養強化目的で使用する食品添加物の表示免除規定を削除

機能性表示食品制度の見直し

届出確認期間の変更と新規成分審査の厳格化

食品表示法改正の背景と目的

2025年3月28日、食品表示基準の一部を改正する内閣府令が公布され、同日施行されました 。この改正は、消費者への適切な情報提供と食品の安全性確保を目的として実施されています 。改正の背景には、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の策定検討会報告書を踏まえた最新の科学的知見の反映があります 。
参考)https://www.shokukanken.com/colum/colum-23621/

 

食品事業者にとって、この改正は経営に大きな影響を与える重要な変更となっています 。特に栄養成分表示や添加物表示に関する規制が強化され、事業者は新たな対応が求められています 。
参考)https://food.uchida-it.co.jp/info/f20250325/

 

改正の主な目的は以下の3点です。

  • 消費者の健康維持と増進のための情報提供充実 🍎
  • 最新の科学的知見に基づく表示基準の更新 📊
  • 食品添加物の透明性向上による安全性確保 🔍

食品表示法改正の主要変更点

今回の改正で最も重要な変更点は、栄養強化目的で使用した食品添加物に係る表示免除規定の削除です 。これにより、これまで表示免除とされていたものを含む原則全ての加工食品に、栄養強化目的で使用した食品添加物の表示が必要となりました 。
栄養素等表示基準値についても大幅な見直しが行われています 。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を踏まえた改正により、特にビタミンB12やビタミンDの基準値が大幅に増加しています 。これにより、栄養強調表示の基準値も連動して変更されています 。
参考)https://www.aussie-fan.co.jp/quality/mailmagazine/syokuhinhyouzi-kaisei-kaisetu

 

食物繊維については、新たに「0と表示することができる量」の規定が追加されました 。食品100gあたり食物繊維が0.5g未満であれば「0」と表示できるようになり、より具体的な表示ルールが確立されています 。

食品表示法改正による機能性表示食品制度の変更

機能性表示食品制度についても重要な変更が実施されています 。2025年4月1日より、届出確認期間が従来の60日から60営業日に変更されました 。この変更により、土日祝日は除外されるため、実質的に確認期間が延長されています 。
参考)https://yakujihou-marketing.co.jp/topics/3523/

 

新規成分に係る届出資料については、より慎重な確認手続きが導入されています 。新規の機能性関与成分については届出後120日以内(営業日)の確認となり、従来より大幅に期間が延長されています 。これは紅麹製品による健康被害問題を契機とした制度の信頼性向上の一環です 。
参考)https://column.cosfa.co.jp/wellness/7053/

 

届出後の遵守事項も強化され、健康被害情報の報告義務化やGMPの要件化などが盛り込まれています 。事業者は1年ごとに自己評価を行い、消費者庁長官に届け出ることが義務付けられました 。
参考)https://tourokuhanbaisha.npinc.jp/touhan-info/post/?id=9859

 

食品表示法改正におけるアレルゲン表示の最新動向

アレルゲン表示についても重要な変更が予定されています 。2025年4月1日から「くるみ」のアレルゲン表示義務化の経過措置が終了し、完全義務化されました 。これにより、製造・加工・輸入・販売される全ての加工食品でくるみの表示が必要となっています 。
参考)https://www.label-bank.co.jp/blog/allergy/202502foodlabel

 

さらに2025年度中には、カシューナッツがアレルゲン表示義務対象品目に追加される予定です 。近年の健康志向の高まりを背景に木の実類の消費量が増加し、それに伴いアレルギー発症例も増加していることが背景にあります 。ピスタチオについては推奨表示品目として追加される方針が示されています 。
参考)https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13372

 

現在の特定原材料は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の8品目となっており 、カシューナッツが追加されると9品目となる予定です。木の実類によるアナフィラキシーショックの症例数が急増していることも、この改正の重要な要因となっています 。

食品表示法改正における事業者の対応と経過措置

食品事業者は改正内容に応じて異なる経過措置期間が設定されています 。栄養素等表示基準値の改正については2028年3月31日まで、栄養強化目的で使用した食品添加物の表示については2030年3月31日までの経過措置が設けられています 。
事業者が注意すべき重要なポイントは、改正後の栄養素等表示基準値に関する表示をする場合、従前の基準と区別するために「栄養素等表示基準値(2025)」等の表示が推奨されていることです 。これにより消費者が新旧基準を明確に区別できるようになっています 。
個別品目ごとの表示ルールについても見直しが行われており、調理冷凍食品については2026年4月1日施行と特別な扱いが設けられています 。みそ、レトルトパウチ食品等の12品目は一部改正、マーガリン類は一部廃止、調理冷凍食品、即席めん等の7品目はすべて廃止されています 。
食品用器具・容器包装についても2025年6月1日からポジティブリスト制度が導入され、安全性を評価した物質のみが使用可能となります 。事業者は包装材料の選択においても新たな基準への対応が必要となっています。