
つなぎ融資の金利は一般的に2~4%程度に設定されており、住宅ローンの金利と比較すると割高になっています。住宅ローンの場合、固定金利で1~1.5%、変動金利で0.5~1%程度が相場ですが、つなぎ融資では無担保融資という性質上、金融機関のリスクが高くなるため金利も高く設定されています。
この金利差の理由は担保の有無にあります。住宅ローンでは購入する住宅が担保となりますが、つなぎ融資では担保が不要な代わりに、金融機関にとってリスクが高い融資となるためです。
金融機関によって金利設定は異なりますが、現在の市場では以下のような傾向があります。
つなぎ融資の利息計算は日割り計算で行われ、基本的な計算式は以下の通りです。
借入額 × 金利 ÷ 365日 × 融資期間(日数)
実際のシミュレーションを見てみましょう。1,000万円の土地購入と3,000万円の注文住宅建築で、金利3%のつなぎ融資を利用する場合。
このように、工期が長くなるほど融資期間が延び、支払う利息も増加します。そのため、建築スケジュールの管理が重要になります。
注意すべき点として、融資実行時には利息分が事前に差し引かれることがあります。例えば800万円の土地購入でも、実際に振り込まれるのは利息分を差し引いた約788万円となり、残りは自己資金で補う必要があります。
つなぎ融資を利用する際は、金利以外にも様々な諸費用が発生します。主な費用項目は以下の通りです。
事務手数料
印紙代(印紙税)
住宅融資保険料
これらの諸費用は金融機関によって大きく異なるため、つなぎ融資を検討する際は金利だけでなく、総合的なコストで比較することが重要です。特に複数回の融資実行が必要な場合、事務手数料が回数分発生するため、総額では相当な負担となることがあります。
つなぎ融資の代替手段として分割融資があり、金利負担の観点から比較検討が重要です。分割融資では住宅ローンの低金利を活用できるため、利息負担を大幅に軽減できる可能性があります。
具体的な比較例として、総額5,000万円の融資で以下のような差が生じます。
つなぎ融資の場合
分割融資の場合
ただし、分割融資には以下の制約があります。
選択の際は、利息負担の軽減効果と手続きの複雑さを総合的に判断する必要があります。
つなぎ融資の金利負担を最小限に抑えるための実践的な方法をご紹介します。これらのテクニックは不動産従事者として顧客に提案する価値のある情報です。
工期短縮による利息軽減
建築工期を1ヶ月短縮できれば、1,000万円の融資で金利3%の場合、約2.5万円の利息を節約できます。工期短縮のポイント。
融資実行タイミングの最適化
不必要に早い融資実行を避けることで利息負担を軽減できます。
金融機関選択の戦略
金利だけでなく総合的なコストで金融機関を選択。
自己資金活用による融資額削減
可能な範囲で自己資金を活用し、つなぎ融資の借入額を減らす。
これらの方法を組み合わせることで、つなぎ融資の総コストを大幅に削減できる可能性があります。顧客の資金計画に応じて最適な提案を行うことが、不動産従事者としての付加価値創出につながります。
住宅ローンの詳細な金利情報については、住宅金融支援機構の公式サイトで最新の市場動向を確認できます。
https://www.jhf.go.jp/
つなぎ融資の具体的な商品内容については、楽天銀行のつなぎローン詳細ページで実際の金利や条件を確認できます。
https://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/purchase/bridgeloan.html