圧力損失計算ツールによる配管設計

圧力損失計算ツールによる配管設計

圧力損失計算ツールを活用した配管設計手法について、ダルシー・ワイスバッハの式から最新のExcelベースツールまで徹底解説。設計効率を向上させる実用的な計算方法とは?

圧力損失計算ツールの基本

圧力損失計算ツールの特徴
⚙️
計算精度

ダルシー・ワイスバッハ式に基づく高精度計算

📊
操作性

Excelベースで直感的な操作が可能

🔧
汎用性

液体・気体・蒸気に対応した多機能ツール

圧力損失計算ツールは、配管設計における重要な要素として、流体が配管を通過する際に発生する圧力の低下を正確に予測するために開発されています 。現代の設計業務では、手計算による複雑な流体力学式の処理に代わり、専用のデジタルツールが主流となっています 。
参考)https://valco.co.jp/product_guide/cvcalc_tool/

 

これらのツールは、ダルシー・ワイスバッハの式を基本とした理論計算に基づいており、管摩擦係数や流体の物性値を考慮した精密な計算を実現します 。特に、レイノルズ数の算出からコールブルック・ホワイトの式を用いた摩擦係数の決定まで、一連の複雑な計算プロセスを自動化している点が特徴です 。
参考)http://comtecquest.com/hint/pg175.html

 

設計エンジニアにとって、圧力損失計算ツールの活用は設計プロセスの効率化だけでなく、コスト効率の向上にも直結します 。問題解決が容易でコストも低い設計段階の初期に圧力関連の問題を検出できることで、後工程での大幅な設計変更を避けることが可能になります。
参考)https://resources.sw.siemens.com/ja-JP/white-paper-pressure-loss-calculation-software/

 

圧力損失計算の基本原理

圧力損失の計算は、1845年にヘンリー・ダルシーにより開発され、ユリウス・ワイスバッハにより修正されたダルシー・ワイスバッハの式を基礎としています 。この式は、配管内を流れる流体と管壁の摩擦に起因する損失水頭や圧力損失を記述するもので、現在でも配管設計の基準となっています。
参考)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F%E3%81%AE%E5%BC%8F

 

計算式は以下のように表されます。
ΔP = λ × (L/D) × (ρ × u²/2)
この式において、各パラメータが持つ意味は以下の通りです :
参考)https://left-h.co.jp/glossary/a-line/%E5%9C%A7%E5%8A%9B%E6%90%8D%E5%A4%B1/

 

  • ΔP: 圧力損失(Pa, パスカル)
  • λ: 管摩擦係数(無次元)
  • L: 配管の長さ(m, メートル)
  • D: 配管の内径(m, メートル)
  • ρ: 流体の密度(kg/m³)
  • u: 流体の流速(m/s)

管摩擦係数λは、レイノルズ数と相対粗度の関数として決定され、層流域(Re<2300)では λ = 64/Re の簡単な式で計算できますが、乱流域では複雑なコールブルック・ホワイトの式を用いる必要があります 。
参考)https://cattech-lab.com/science-tools/darcy-weisbach/

 

圧力損失計算における流体特性の影響

流体の物性が圧力損失に与える