

外形寸法は、物の外面に沿ってその物の大きさを表す測定方式です。建築分野では「外寸」や「外法(そとのり)」とも呼ばれ、対語として「内寸(ないすん)」や「内法(うちのり)」が使用されます 。通常の寸法表記では(外)が外寸、(内)が口元内寸、(有)が有効内寸、(底)が底面の外寸法を示し、寸法単位はmmで表記されます 。
参考)https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00022amp;wid=30838amp;wdid=01
建築図面における外形寸法は、柱幅を含めた長さとして表現され、柱の外面から外面までの距離を示します。建物の外形寸法を示すときは必ず外法寸法が使用され、建具は外法寸法と内法寸法の両方が表記されます 。外法寸法は建具の枠を含めた寸法であり、内法寸法は外法寸法から枠の厚みを控除した値です 。
参考)http://kentiku-kouzou.jp/kouzoukeisan-sotonori.html
日本の建設業界では基本的に「mm」単位で寸法を表現し、建築は非常に繊細でミリ単位での調整が必要なため、図面に単位の記載はなく数字のみが表記されています 。これらの数値は全て「ミリ」を表すため、設計・施工時に間違えないよう注意が必要です 。
参考)https://seko-kanri.com/zumen-zunpou/
外形寸法の測定には、対象物の大きさや形状、必要な精度に応じて様々な方法と測定機器が使用されます 。代表的な測定器具として、比較的簡単に寸法を測れる汎用性の高い「ノギス」があり、外径、内径、深さ、段差など多様な測定が可能で、主に0.1mm〜0.05mm単位での読み取りが行われます 。
参考)https://www.mitsuya-gr.co.jp/2025/05/12/what-is-dimension-measurement/
円筒部品の外径測定(直径50mm程度以内)では、マイクロメータかノギスが使用されます。0.001mmの精度を求める測定にはマイクロメータが推奨され、0.05mm程度の測定精度で良い場合はノギスで測定可能です 。内径測定の場合、内径測定用マイクロメータが利用され、さらに正確な内径測定には3点式内径用マイクロメータが適用されます 。
参考)https://d-monoweb.com/blog/introducing-measuring-instruments/
現代的な測定方法として、レーザ外径測定器(レーザマイクロゲージ)があります。これはレーザ光を使って非接触で測定対象物の寸法を計測でき、0.1μm以下の高分解能でワークに触れずに測定が可能です 。3,600/秒の超高速測定が可能で、測定者による計測のバラツキがなく、インラインでの計測も実現できます 。
参考)https://www.toe.co.jp/techinfo/basic/
建築図面の寸法表記には基本的なルールが存在し、単位は「ミリメートル」とし単位記号は省略されます。ただし、ミリメートル以外の場合は単位記号を記載し、寸法は寸法線に添えて横書きで表示されます 。図面作成時の寸法表記では、寸法線は対象物の外側に配置し、対象物の輪郭線と平行に引きます 。
参考)https://www.mlit.go.jp/common/001157950.pdf
補助線は寸法を示すために対象物から延長される線で、寸法線と直交するように引き、寸法値は寸法線の中央に記入します 。寸法線の両端には矢印を付け、寸法値を矢印の間に記入し、矢印の代わりに黒丸や白丸を付ける場合もありますが、多くは建築図面の場合です 。
参考)https://zumen-bank.com/column/1242
正面図では、外形線の外側に寸法線を引き、短い寸法は基準面に近い位置に、全体の長さがわかる寸法は外形線から離れた位置に記入します 。記入の順序として、まず横方向の寸法を記載し、寸法がなるべく一直線に並ぶように配置することで、図面が整理されて視認性が向上します 。
参考)https://edraw.wondershare.jp/mechanical-drawing/how-to-add-dimensions-to-drawings.html
寸法検査の目的は部品の品質維持と向上にあり、測定には高い精度が要求されます 。寸法公差とは「許される誤差の長さ」を示し、施工時に発生する多少の誤差を考慮して許容範囲を設定します 。建築分野では人による作業のため施工誤差が発生することを前提とし、適切な公差設計が重要です 。
3次元測定機を使用した測定では、プローブを測定対象物の表面に接触させて空間座標を決定し、曲面など複雑な形状の測定に適用されます 。画像処理技術や3Dスキャナーなどの最新技術により、従来困難だった形状の測定も可能になり、測定精度と効率の向上が実現されています 。
参考)https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/0903/11/news106.html
大型部品の検査治具(検具)による寸法検査では、部品を位置決めピンやガイドで固定し、部品と検査治具との寸法の差を測定します 。この方法により、製品の合否判定や品質管理において、技能の差が出にくく一定の品質を保つことができます 。
参考)https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/wm-casestudy/checking-fixture.jsp
製造業において、外形寸法は製品の設置スペース確認に重要な役割を果たします。設置寸法の確認には、設置する物と設置場所の寸法(床上の高さ、設置に必要な幅、設置に必要な奥行き)を計測する必要があります 。外寸以上のサイズは設置できないため、事前に計測することでスペースに合わない、間口がいっぱいになってしまうなどのトラブルを回避できます 。
軽自動車などの製品規格では、具体的な外形寸法の制限が設けられています。現在の軽自動車は規格で全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下と決まっており、殆どの軽自動車が同じ全長と全幅を有しています 。このように、製品カテゴリーごとに外形寸法の基準が定められ、設計・製造時の重要な指標となっています 。
梱包・配送分野では、外形3辺合計によって宅配サイズが定められ、運送会社の送料算出に使用されます 。組立後に外側から測った寸法の合計値により配送コストが決定されるため、製品設計段階から外形寸法を考慮した設計が必要です 。
参考)https://www.bestcarton.com/faq/format/ans_94.html
国土交通省「建築工事設計図書作成基準」(建築図面の寸法表記に関する公的基準)
東京測量設計業協会(測定技術に関する専門情報)
日本品質保証機構(寸法測定サービス)