
間口測定における最も重要な原則は、道路に接する部分の距離を正確に把握することです。間口距離は土地評価において重要な要素となり、建物の建築や土地の利用のしやすさに直結するため、間口距離が広いほど土地の価値は高くなる傾向があります。
基本的な測定方法として、以下の点を押さえておく必要があります。
路線価方式で土地を評価する場合には、間口と奥行の距離を測定し、地積を求める必要があります。しかし、土地の形状は様々で、単純な四角形ばかりではないため、間口距離の測定方法もケースバイケースで判断する必要があります。
間口距離は財産評価基本通達の概念であり、接道距離は建築基準法の概念です。趣旨が違うため距離の測定方法も異なることを理解しておくことが重要です。
正確な間口測定を行うためには、適切な図面の活用と測量技術が不可欠です。主に使用される図面は以下の通りです。
地積測量図の活用
地積測量図は土地の登記簿に付随して法務局に備えられる図面で、間口・奥行距離を測定する際の基本資料となります。この図面には境界点の座標や距離が記載されており、正確な測定の基礎となります。
公図との照合
公図や測量図によって間口距離を測るのが一般的ですが、現地調査では土地の現況や間口距離・奥行距離、がけ地や造成が必要な範囲の計測などに加え、前面道路の幅員なども確認する必要があります。
現地測定の実践技術
メジャーがない場合でも、身近なものを利用して測定することが可能です。例えば。
これらの基準を活用することで、おおよその距離を把握できます。ただし、正確な評価が必要な場合は必ず測量機器を使用することが重要です。
不整形地や特殊な形状の土地では、標準的な測定方法とは異なるアプローチが必要になります。
屈折路に面する土地の測定
屈折路に面する不整形地の間口距離は、想定整形地の間口に相当する距離と、屈折路に実際に面している距離とのいずれか短い距離となります。
測定手順。
角地の測定方法
角地などで角切がされている宅地については、角切がないものとした場合の道路に接する部分の距離によります。私道部分を評価する際、隅切で広がった部分は間口距離に含めません。
旗竿敷地の特殊性
旗竿敷地の間口は、路地状部分の幅で測定します。建物を建築する部分に至るまでの通路が2m未満の場合、接道義務を満たさないため建築不可の土地となります。
行き止まり道路の測定
私道の行き止まりの場合、想定整形地の間口距離と実際の接面距離を比較して短い方が間口距離となります。
間口距離は土地評価額に直接的な影響を与える重要な要素です。間口が狭いことによる減価要因と評価への具体的な影響を理解することが重要です。
間口狭小補正の適用
間口が狭い土地は「間口狭小補正率」を使って減額して評価することとなります。これは、間口が狭いと人や車両の出入りが不便になることが考えられる等の理由から、土地の利用価値が低下するためです。
建築基準法との関係
間口が2m未満の土地は、建築不可能な土地となります。建物が建てられない土地となると、価値も半減し、場合によってはそれ以上の減価となる可能性があります。
評価額への具体的影響
補正率の計算方法
間口狭小補正率は、標準的な間口距離と実際の間口距離の比較により算出されます。地域や用途地域によって補正率は異なるため、適切な補正率表を参照する必要があります。
実際の不動産実務において、間口測定で発生しやすいトラブルと、それを回避するための実践的なポイントを解説します。
測定時期による誤差の回避
季節や天候による測定誤差を最小限に抑えるため、以下の点に注意が必要です。
境界確定の重要性
間口測定の前提として、境界の確定が不可欠です。境界が不明確な場合、測定結果の信頼性が損なわれます。隣地所有者との境界確認や、必要に応じて境界確定測量の実施を検討する必要があります。
権利関係の確認
測定対象地の権利関係を事前に確認することで、測定範囲の誤りを防げます。
測定結果の記録と保存
測定結果は将来の参照に備えて適切に記録・保存する必要があります。
専門家との連携
複雑な案件では、土地家屋調査士や測量士との連携が重要です。特に以下の場合は専門家への相談を推奨します。
これらの注意点を踏まえることで、正確で信頼性の高い間口測定を実現し、適切な土地評価につなげることができます。
土地評価における間口距離の重要性と測定方法の詳細解説
https://showatax.jp/archives/2081/
間口距離の正しい求め方と評価への影響について
http://www.stgy-souzoku.com/frontage-distance
建築基準法における接道義務と間口の関係性
https://reatips.info/magchi/