
路線価とは、宅地の評価額を決定する際の基準となる道路に付けられた価格のことで、道路に接する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格を表しています。
固定資産税路線価は、市町村(東京23区は東京都)が固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税の算出に使用する土地の単価です。この路線価は土地基本法に基づいて、公示価格の約7割を目途に設定されています。
固定資産税路線価の特徴として以下が挙げられます。
なお、固定資産税路線価は財団法人資産評価システム研究センターの全国地価マップで確認することができます。
相続税路線価は、国税庁が相続税や贈与税の財産評価に使用する土地の単価で、売買実例価格や不動産鑑定士による鑑定評価額などを基に算出されています。公示価格の約8割を目途として設定されており、固定資産税路線価よりも高い水準となります。
相続税路線価の特徴。
相続税路線価と固定資産税路線価の関係は、固定資産税路線価=相続税路線価÷0.8×0.7、相続税路線価=固定資産税路線価÷0.7×0.8という計算式で概算できます。
ただし、これはあくまで概算であり、土地の所在地によって公示価格に対する路線価の割合は異なる場合があります。
固定資産税路線価は主に以下の税金計算に活用されます。
固定資産税評価額の基本計算式は以下の通りです。
固定資産税評価額 = 固定資産税路線価 × 土地面積 × 補正係数
相続税路線価は以下の税金計算で使用されます。
相続税評価額の概算計算式。
相続税評価額 = 相続税路線価(千円/㎡)× 面積(㎡)
実際の評価では、奥行価格補正率、側方路線影響加算率、間口狭小補正率、不整形地補正率などの画地調整率による修正が行われます。
重要なのは、固定資産税路線価は3年に1度の評価替えに対し、相続税路線価は毎年更新されるため、相続税評価の方がより最新の地価動向を反映している点です。
固定資産税路線価の調査方法。
相続税路線価の調査方法。
路線価を使った実際の税額計算では、以下の点に注意が必要です。
💡 固定資産税の具体的計算例。
土地面積200㎡、固定資産税路線価15万円/㎡の場合
固定資産税評価額 = 15万円 × 200㎡ = 3,000万円
固定資産税額 = 3,000万円 × 1.4%(標準税率)= 42万円
注意すべきは、必ずしも7対8の関係が成立するとは限らないという点です。市町村と国税庁はそれぞれの目的と制度に基づいて路線価を算定しており、価格時点や算出方法も異なるためです。
不動産業界では、路線価の違いを理解することが効果的な税務戦略の基盤となります。特に相続税対策においては、市場価格と相続税評価額のギャップを活用した節税が重要です。
戦略的ポイント。
🔍 評価時期の違いの活用
💰 不動産投資での活用方法
相続税路線価は公示価格の約8割のため、実勢価格と評価額に20%程度のギャップが生じます。これを活用して、現金を不動産に転換することで相続税評価額を圧縮する効果が期待できます。
📈 資産管理での注意点
路線価は土地基本法に基づいて相互の均衡と適正化を図るために策定されていますが、個別の土地では正確に7:8の関係にならない場合があります。そのため、正確な評価額を知りたい場合は、それぞれの公的な調査方法を用いて確認することが重要です。
また、一部地域では相続税について路線価方式ではなく倍率方式が採用されている場合があります。この場合、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて相続税評価額を算出します。
不動産従事者として覚えておくべきは、両者の路線価は市町村と国税庁の相互協力・情報交換により均衡を保つよう調整されているという点です。これにより、極端な評価額の乖離は避けられる仕組みとなっています。