固定資産評価額相続税評価額計算方法比較不動産税務

固定資産評価額相続税評価額計算方法比較不動産税務

不動産従事者必見の固定資産評価額と相続税評価額の違いや計算方法を詳しく解説。税額に影響する重要なポイントを知っていますか?

固定資産評価額相続税評価額違い計算

固定資産評価額と相続税評価額の基本概念
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評価目的の違い

固定資産税計算用と相続税・贈与税計算用で評価基準が大きく異なります

📊
評価額水準の違い

時価に対する割合が固定資産税70%、相続税80%程度となっています

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評価主体の違い

固定資産税は市町村、相続税は国税庁が評価基準を設定しています

固定資産評価額基本概念定義

固定資産税評価額とは、固定資産税を課税するための基準となる評価額で、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて各市町村長(東京都は都税事務所)が決定する価格です。
この評価額は以下のような特徴を持っています。

 

  • 評価頻度:3年ごとに評価替えが実施されます
  • 評価水準:公示価格の約70%程度に設定されています
  • 利用目的:固定資産税、都市計画税不動産取得税登録免許税の計算に使用されます

特に重要なのは、毎年1月1日を賦課期日として土地、家屋の所有者に対して課される点です。固定資産課税台帳に登録された価格は、役所に備え付けられている台帳で確認できます。
住宅用地に関しては特例措置があり、住宅1戸につき200㎡までの部分は固定資産税評価額に6分の1を乗じた金額を課税標準として計算し、200㎡を超える部分は3分の1を乗じた金額を使用します。

相続税評価額基本概念算定方法

相続税評価額とは、相続税や贈与税を計算するための基準となる評価額で、国税庁が定める「財産評価基本通達」に従って納税者自身が算定する必要があります。
相続税評価額の特徴は以下の通りです。

 

  • 評価主体:国税庁長官が決定する路線価や倍率を使用
  • 評価水準:公示価格の約80%程度に設定
  • 評価頻度:毎年評価が行われます
  • 基本原則:相続開始時点での換金価値がベースとなります

土地の相続税評価額は「路線価方式」と「倍率方式」の2つの方法で計算されます。路線価方式では道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価格(路線価)に土地の面積を乗じて算出します。一方、倍率方式では固定資産税評価額に国税庁が定める倍率を乗じて計算します。
建物については、相続税評価額は固定資産税評価額と同額となります。ただし、賃貸に出している建物については、固定資産税評価額に70%を乗じた金額となります。

固定資産評価額計算方法詳細解説

固定資産税評価額の計算は複雑なプロセスを経ており、土地と建物で異なる手法が用いられています。

 

土地の評価方法
土地については、地価公示価格の70%を目標として評価されます。評価は標準地の選定から始まり、類似地域内の各筆について標準地との比較により評価額を決定します。

 

  • 標準地の選定:各地域の代表的な土地を標準地として選定
  • 地域区分:地価水準や土地利用状況により地域を区分
  • 価格比準表の作成:標準地と比較する際の補正率を設定

建物の評価方法
建物については、再建築価格方式により評価されます。この方式では、評価時点における同一構造、同一用途の建物を新築する際の建築費(再建築価格)に築年数に応じた減価を考慮して評価額を算出します。

 

建物評価の算式。

 

評価額 = 再建築価格 × 経年減点補正率
経年減点補正率は構造別・用途別に設定されており、木造住宅の場合は築27年で20%まで減価します。

 

相続税評価額路線価方式倍率方式

相続税評価額の計算には「路線価方式」と「倍率方式」の2つの方法があり、土地の所在地によってどちらを適用するかが決まります。

 

路線価方式
市街地的形態を形成している地域の土地に適用される方式です。
算式:相続税評価額 = 路線価 × 土地面積 × 各種補正率
路線価は道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価格で、毎年7月に国税庁が公表します。重要な特徴として、土地の形状(間口が狭い、奥行きが長いなど)に応じた補正が必要となります。

 

主な補正項目。

 

  • 奥行価格補正率
  • 間口狭小補正率
  • 不整形地補正率
  • 角地加算

倍率方式
路線価が定められていない地域の土地に適用される方式です。
算式:相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率
倍率は国税庁が地域・地目ごとに定めており、倍率表で確認できます。路線価方式と異なり、土地の形状による補正は不要です。これは、固定資産税評価額にすでに土地の個別性が反映されているためです。
倍率方式のメリット。

 

  • 計算が簡単
  • 補正計算が不要
  • 固定資産税評価額が分かれば迅速に算出可能

固定資産評価額相続税評価額実務活用方法

不動産従事者にとって、両評価額の関係性を理解することで、顧客へのアドバイスや税務対策提案において大きなアドバンテージを得ることができます。

 

相続税評価額の概算方法
固定資産税評価額から相続税評価額を概算する方法があります。
算式:相続税評価額の概算 = 固定資産税評価額 × 1.14
この係数1.14の根拠は以下の通りです。

 

固定資産税評価額(時価の70%)÷ 0.70 × 0.80 = 1.14
実務での注意点
ただし、この計算はあくまで概算であり、正確な相続税評価額は以下の要素を考慮する必要があります。

 

  • 土地の形状補正(路線価方式の場合)
  • 利用状況(自用地、貸家建付地等)
  • 特例適用の可能性(小規模宅地等の特例)

顧客対応での活用法

  • 相続税の概算額提示:不動産購入検討者への税務影響説明
  • 売却時期の検討材料:評価額の変動要因分析
  • 相続対策提案:評価減要因の活用アドバイス

この知識を活用することで、単なる不動産売買仲介を超えた付加価値の高いサービス提供が可能となり、顧客からの信頼獲得と差別化に繋がります。さらに、税理士や司法書士との連携も円滑に進められるため、ワンストップサービスの実現も期待できるでしょう。