
固定資産税評価額とは、固定資産税を課税するための基準となる評価額で、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて各市町村長(東京都は都税事務所)が決定する価格です。
この評価額は以下のような特徴を持っています。
特に重要なのは、毎年1月1日を賦課期日として土地、家屋の所有者に対して課される点です。固定資産課税台帳に登録された価格は、役所に備え付けられている台帳で確認できます。
住宅用地に関しては特例措置があり、住宅1戸につき200㎡までの部分は固定資産税評価額に6分の1を乗じた金額を課税標準として計算し、200㎡を超える部分は3分の1を乗じた金額を使用します。
相続税評価額とは、相続税や贈与税を計算するための基準となる評価額で、国税庁が定める「財産評価基本通達」に従って納税者自身が算定する必要があります。
相続税評価額の特徴は以下の通りです。
土地の相続税評価額は「路線価方式」と「倍率方式」の2つの方法で計算されます。路線価方式では道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価格(路線価)に土地の面積を乗じて算出します。一方、倍率方式では固定資産税評価額に国税庁が定める倍率を乗じて計算します。
建物については、相続税評価額は固定資産税評価額と同額となります。ただし、賃貸に出している建物については、固定資産税評価額に70%を乗じた金額となります。
固定資産税評価額の計算は複雑なプロセスを経ており、土地と建物で異なる手法が用いられています。
土地の評価方法。
土地については、地価公示価格の70%を目標として評価されます。評価は標準地の選定から始まり、類似地域内の各筆について標準地との比較により評価額を決定します。
建物の評価方法。
建物については、再建築価格方式により評価されます。この方式では、評価時点における同一構造、同一用途の建物を新築する際の建築費(再建築価格)に築年数に応じた減価を考慮して評価額を算出します。
建物評価の算式。
評価額 = 再建築価格 × 経年減点補正率
経年減点補正率は構造別・用途別に設定されており、木造住宅の場合は築27年で20%まで減価します。
相続税評価額の計算には「路線価方式」と「倍率方式」の2つの方法があり、土地の所在地によってどちらを適用するかが決まります。
路線価方式。
市街地的形態を形成している地域の土地に適用される方式です。
算式:相続税評価額 = 路線価 × 土地面積 × 各種補正率
路線価は道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価格で、毎年7月に国税庁が公表します。重要な特徴として、土地の形状(間口が狭い、奥行きが長いなど)に応じた補正が必要となります。
主な補正項目。
倍率方式。
路線価が定められていない地域の土地に適用される方式です。
算式:相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率
倍率は国税庁が地域・地目ごとに定めており、倍率表で確認できます。路線価方式と異なり、土地の形状による補正は不要です。これは、固定資産税評価額にすでに土地の個別性が反映されているためです。
倍率方式のメリット。
不動産従事者にとって、両評価額の関係性を理解することで、顧客へのアドバイスや税務対策提案において大きなアドバンテージを得ることができます。
相続税評価額の概算方法。
固定資産税評価額から相続税評価額を概算する方法があります。
算式:相続税評価額の概算 = 固定資産税評価額 × 1.14
この係数1.14の根拠は以下の通りです。
固定資産税評価額(時価の70%)÷ 0.70 × 0.80 = 1.14
実務での注意点。
ただし、この計算はあくまで概算であり、正確な相続税評価額は以下の要素を考慮する必要があります。
顧客対応での活用法。
この知識を活用することで、単なる不動産売買仲介を超えた付加価値の高いサービス提供が可能となり、顧客からの信頼獲得と差別化に繋がります。さらに、税理士や司法書士との連携も円滑に進められるため、ワンストップサービスの実現も期待できるでしょう。