
京都市中京区三条通高倉東入桝屋町に位置する一般財団法人大和松寿会中央診療所は、1950年代から続く歴史ある医療機関として、特に呼吸器内科分野での専門性の高い治療で知られています。当診療所の最大の特徴は、サルコイドーシス、間質性肺疾患、肺高血圧症などの難病について豊富な治療実績を有していることです。これらの疾患は一般的な医療機関では対応が困難な場合が多く、全国各地から患者が来院するという特殊な位置づけを持っています。
呼吸器専門外来では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、肺線維症などの慢性疾患に対する継続的な治療管理を行っており、特に在宅酸素療法や人工呼吸器管理が必要な重篤な患者に対しても対応可能な体制を整えています。また、肺機能検査やCT撮影などの高度な検査設備を完備し、精度の高い診断と治療計画の立案を可能にしています。
診療体制については、月曜日から金曜日の午前9時から11時、および木曜日の午後13時から19時まで外来診療を実施しており、土曜日も午前中の診療を行うなど、患者の利便性を考慮したスケジュールを組んでいます。予約制を採用することで待ち時間の短縮と効率的な診療を実現している点も特徴的です。
内科診療においては、総合内科専門医が常勤しており、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の管理から、消化器疾患、循環器疾患まで幅広い疾患に対応しています。循環器内科では、心電図検査、心エコー検査、24時間ホルター心電図などの検査を通じて、狭心症、心筋梗塞、不整脈などの早期発見と治療を行っています。
神経内科専門医も配置されており、頭痛外来を毎月第1、3、5週の木曜日17時から19時に実施するなど、専門性の高い診療サービスを提供しています。このような多角的なアプローチにより、患者一人一人の複合的な健康問題に対して包括的な医療ケアを実現している点が評価されています。
診療所では、発熱やかぜ症状の患者に対して事前の電話連絡を求めるなど、感染症対策にも配慮した診療体制を維持しています。また、マスク着用の継続要請など、コロナ禍で培った感染防止策を現在も継続していることで、安全な医療環境の提供に努めています。
健康管理部門では、企業の従業員、地域住民、学校関係者を対象とした各種健康診断を積極的に実施しています。一般健康診断では、身体計測、尿検査、血液検査(貧血、血中脂質、血糖、肝機能、膵機能、腎機能、尿酸、CRP等)、胸部X線検査、心電図検査などの基本的な項目に加えて、肺CT検査を追加料金なしで実施している点が大きな特徴です。
人間ドックコースでは、上記の基本検査に加えて、上部消化管X線検査または内視鏡検査、腹部超音波検査、便潜血検査などの消化器系検査、眼科検査(視力、眼圧、眼底)、聴力検査なども含まれています。女性には子宮頸がん検査(自己採取法)と乳房超音波検査を、男性には前立腺がん検査をそれぞれ実施するなど、性別に応じた包括的な健康チェックを提供しています。
特殊健康診断では、有害物質を取り扱う職場で働く方を対象とした法定健診も実施しており、産業医療の分野でも重要な役割を担っています。健康診断証明書の当日発行サービスや、土曜日午前中の健診受付など、受診者の利便性を最大限に考慮したサービス体制を構築している点も評価されています。
地域密着型の医療サービスとして、企業や団体への出張健診サービスも積極的に展開しています。このサービスは、従業員数の多い企業や、交通の便が悪い地域の団体にとって特に有用で、健診受診率の向上に大きく貢献しています。出張健診では、基本的な健康診断項目はもちろん、胸部X線撮影車両などの専門機器を現地に持参して実施するため、診療所内での健診と同等の検査精度を保っています。
データ管理システムも充実しており、健康診断結果のデータ納品サービスを提供することで、企業の健康管理担当者が従業員の健康状態を効率的に把握できるよう支援しています。このようなICT技術を活用したサービスにより、継続的な健康管理体制の構築に貢献しています。
また、地域の中京東部医師会に所属し、地域医療連携体制の一翼を担っています。近隣の病院や診療所との連携により、患者の病状に応じた適切な医療機関への紹介や、逆紹介を通じて、地域全体の医療レベル向上に寄与しています。こうした取り組みにより、患者にとって最適な医療を提供する地域医療ネットワークの形成に貢献している点は、地域医療の観点から高く評価されています。
診療所では、医療の質向上を目的として、スタッフの継続的な教育と研修に力を入れています。月例研修会を定期的に開催し、最新の医療知識や技術の習得、患者ケアの向上に取り組んでいます。これらの研修会には、地域住民の方々も参加できる交流会的な要素も含まれており、医療と地域コミュニティの架け橋としての役割も果たしています。
現在、管理者兼主任ケアマネージャー、訪問看護師(常勤・非常勤)、健診担当看護師などの職種でスタッフを募集しており、多職種連携による包括的な医療・介護サービスの提供体制を強化しています。特に訪問看護部門では、在宅医療を必要とする患者への継続的なケア提供を行っており、病院から在宅への移行支援や、慢性疾患患者の生活の質向上に重要な役割を担っています。
理事長の笠松英子氏、所長の長井苑子氏をはじめとする経営陣は、医療の専門性を保ちながらも、患者や地域のニーズに応える柔軟な組織運営を心がけています。このような人材重視の経営方針により、高品質な医療サービスの継続的な提供を実現し、患者満足度の向上と地域医療への貢献を両立している点が、同診療所の大きな強みとなっています。
中央診療所公式サイトでは診療内容や健診予約の詳細情報を確認できます
中京東部医師会のページでは地域医療連携に関する情報が掲載されています