
マンションを貸して儲ける基本的な仕組みは、家賃収入が費用を上回ることで利益を生み出すというシンプルな構造です。具体的には以下の計算式で表されます。
月間利益 = 家賃収入 - (ローン返済 + 管理費 + 修繕積立金 + その他経費)
金融機関からの融資を受けて賃貸マンションを購入した場合、毎月の家賃収入をローンの返済に充てていきます。ローンの支払いを終えるまでは、家賃収入からローンの支払い等を差し引いた額が儲けになり、ローン完済後は家賃収入のほとんどが利益となります。
重要なポイントは、高い賃料で貸し出せても、必要経費がかかればそれだけ利益が目減りするということです。つまり利益を生み出すには、なるべく高く貸し出し、経費をなるべく抑えなければなりません。
マンション賃貸における最大の魅力の一つが「レバレッジ効果」です。これは少額の資金で大きな儲けを得られる仕組みを指します。
例えば、3,000万円のマンションを自己資金300万円(10%)、残り2,700万円をローンで購入したとします。このマンションが年間180万円の家賃収入を生み出す場合、自己資金300万円に対する利回りは実質60%となります。これが現金3,000万円で購入した場合の利回り6%と比較して、10倍の効果を生み出すレバレッジの力です。
ただし、レバレッジ効果には注意点もあります。
適切なレバレッジ比率を保つことで、リスクを抑えながら収益性を最大化できます。
実際のマンション賃貸における収支シミュレーションを見てみましょう。以下は都心部の築10年、2LDKマンション(購入価格4,000万円)の例です。
収入項目
支出項目
年間収支
収入:200万円 - 支出:199万円 = 年間利益1万円
この例では、ほぼ収支トントンの状況です。しかし、ローン完済後は年間144万円の返済負担がなくなるため、大幅な利益改善が期待できます。
マンション賃貸で儲けるために最も重要な要素の一つが「立地」です。需要が高い地域に物件があり安定した収入が見込める場合、儲かる可能性が高くなります。
儲かりやすい立地の特徴
立地の良い物件は、賃貸需要が旺盛で空室リスクが低く、家賃も相場より高く設定できる傾向があります。また、将来的な売却時にも有利になるため、総合的な投資効果が期待できます。
一方、地方などの賃貸需要が低いエリアでは、表面利回りが高く見えても実際の収益性は低い場合があります。利回りだけでなく、長期的な賃貸需要を慎重に見極めることが重要です。
マンション賃貸には、一般的にあまり知られていない税務上のメリットが数多く存在します。これらを適切に活用することで、実質的な収益性を大幅に向上させることができます。
経費として計上可能な項目
特に減価償却費は実際の現金支出を伴わない経費として計上できるため、キャッシュフローを改善しながら節税効果を得られる重要な要素です。
意外な節税テクニック
リフォーム費用の計上方法も重要なポイントです。100万円のリフォーム費用を2年契約で回収したい場合、「賃料相場+(リフォーム費用÷24ヶ月=4.16万円)」が1月分の家賃設定として想定できます。
ただし、周辺物件との家賃乖離が大きすぎると入居者確保が困難になるため、4年での回収を計画して家賃上乗せ額を半分にするなど、柔軟な戦略が求められます。
相続税対策としての効果
賃貸物件は相続税評価額が大幅に下がるため、相続税対策としても非常に有効です。土地は「貸家建付地」として約20%、建物は「貸家」として約30%の評価減が適用されます。
これらの税務メリットを総合的に活用することで、表面的な利回り以上の実質的な収益効果を得ることができ、マンション賃貸の真の魅力を最大限に引き出すことが可能になります。
マンション賃貸で確実に儲けるためには、単純な家賃収入だけでなく、レバレッジ効果、立地選定、税務戦略を総合的に組み合わせた戦略的アプローチが不可欠です。特に不動産業従事者として、これらの専門知識を活用してクライアントに最適な提案を行うことが、長期的な成功につながるでしょう。