ポンジスキームとみんなで大家さんの違いと見極め

ポンジスキームとみんなで大家さんの違いと見極め

ポンジスキームとみんなで大家さんの構造的類似点と投資詐欺の見極め方を解説。高利回りの裏に潜む危険性を知っていますか?

ポンジスキームとみんなで大家さん

ポンジスキームの特徴と見抜き方
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高利回りの罠

現実離れした利回りと元本保証を謳う詐欺の典型的な手口

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構造的問題

新規出資者の資金で既存投資家への配当を支払う自転車操業

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危険な兆候

配当遅延や解約制限は破綻の前兆として投資家が警戒すべきサイン

ポンジスキームの基本的な仕組み

ポンジスキームは、新規投資家から集めた資金を既存投資家への配当に充てる自転車操業型の詐欺手法です。この手法は20世紀初頭にアメリカで巨額詐欺事件を起こしたチャールズ・ポンジの名前に由来します。運営者は「年利30%保証」「元本保証+毎月配当」など現実離れした高利回りを約束し、実際の運用は行わずに資金を循環させるだけの持続不可能な仕組みです。
参考)https://cocozas.jp/coco-the-style/ponjisukimu-toha/

 

最初のうちは約束通りに配当金が支払われるため、出資者は本当に利益が出ていると信じ込んでしまいます。信頼した投資家が知人や友人を勧誘することで、ネズミ講式に被害が拡大していく構造となっています。しかし、新規の出資者がいなくなると破綻する運命にあり、最終的にはほとんどの出資者が資金を失うことになります。
参考)https://trust-proof.jp/investment-scam-schemes/

 

みんなで大家さんの事業構造と問題点

「みんなで大家さん」は不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化投資商品で、約4万人の投資家から総額約2000億円を集めています。主力商品である「シリーズ成田」は想定利回り年7%で、成田国際空港近くの開発プロジェクト用地を投資対象としています。しかし2025年7月31日に配当の支払い遅延が発生し、8月末の配当も停止されるという深刻な事態に陥っています。
参考)https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00081/082700866/

 

問題の構造を見ると、共生バンクは成田プロジェクトの土地をグループ企業に貸し、その家賃収入を配当原資としてきました。しかし実際には「グループの中でグルっと金を回しているだけで、配当の原資となる収益が出るわけがない」状況です。2019年10月に成田市の事業許可を得た後も、実際の建物は何も建設されておらず、本来収入がないのに配当が続けられてきました。
参考)https://www.moneypost.jp/1314731

 

ポンジスキームとの構造的類似点

「みんなで大家さん」とポンジスキームには複数の構造的類似点が存在します。まず、他の案件の出資金を別の事業の配当に回せば法に触れる行為であり、これは投資詐欺であるポンジスキームにあたります。不動産特定共同事業法では文字通り特定の不動産開発目的で出資を募り、その事業で得た収入を配当するため、個別の不動産投資事業で完結する必要があります。
分配金の支払いが他の案件の出資金によって補填されていた可能性があるとの指摘もあり、いわゆる「ポンジ・スキーム」的な構造への懸念が生じています。国会でもポンジスキームの疑いが追及されており、「高利回り」「工期遅延」「分配金の遅延」といった要素は歴史的に危険な投資案件でよく見られる特徴です。共生バンク側は「法令を遵守している」として全面的に否定していますが、成田プロジェクトに限れば実際の収益が生まれていない状況で配当が行われてきました。youtube
参考)https://note.com/minamisouken01/n/nee7ae59034cb

 

不動産特定共同事業法による規制と限界

不動産特定共同事業法(不特法)は不動産クラウドファンディングの根拠法ですが、ポンジスキームが入り込む余地があることが指摘されています。出資者の出資金を他の事業資金や配当に回すポンジスキームは不特法第2条3項1号違反となりますが、お金に色はなく見えない怖さがあります。
参考)http://tahara-kantei.com/column/column2838.html

 

不動産特定共同事業は銀行の融資審査とは異なり、事業者が直接担保なしで一般投資家から資金を調達できる仕組みです。銀行は事業者の支払い能力や経営状況を審査し担保を求めますが、不特法では営業者の返済能力を超えて個人から次々に資金を集めることが可能です。現行法はせめて金商法並みの規制強化が必要だと専門家から指摘されています。
参考)https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00774/080800013/

 

投資詐欺を見抜くための具体的な警告サイン

投資詐欺を見抜くためには複数の警告サインに注意する必要があります。まず、相場の常識を逸脱した高利回りが提示される場合は要注意です。「月利20%」「3ヶ月で倍」など現実離れした数字を前面に押し出し、根拠やリスクには触れずに都合のよい数字だけが強調されます。
「元本保証」「絶対に損しない」といった断定的な言い回しも典型的な詐欺の特徴です。投資商品であるにもかかわらず損失の可能性には一切触れず、利益ばかりが強調される場合は冷静な判断が必要です。さらに、SNSやメール、電話での個別勧誘は危険信号であり、「ここだけの話」などクローズドな環境での勧誘は特に注意が必要です。
参考)https://trust-blog.jp/crowdfunding_sagi

 

国土交通省による不動産特定共同事業者の許可状況に関する詳細な資料
事業者が適切な許可を取得しているかの確認も重要です。不動産クラウドファンディング事業者であれば「不動産特定共同事業者」の登録、ソーシャルレンディング事業者であれば「貸金業者」および「金融商品取引業者」の登録を確認しましょう。これらの登録は管轄官庁のサイトで簡単に調べることができ、未登録事業者による勧誘は詐欺である可能性が極めて高くなります。
参考)https://gokuraku.io/library/crowdfunding-investment-scam/