リサイクル法の一覧と各法の特徴

リサイクル法の一覧と各法の特徴

日本のリサイクル法には容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、建設リサイクル法など多種多様な法律が存在しています。それぞれの法律はどのような特徴と対象品目を持っているのでしょうか?

リサイクル法一覧

日本のリサイクル法体系
📦
容器包装リサイクル法

ペットボトル、缶、瓶などの容器包装廃棄物の分別収集と再商品化を促進

📺
家電リサイクル法

エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目を製造業者が回収・リサイクル

🏗️
建設リサイクル法

コンクリート、木材、アスファルトの建設資材を工事現場で分別・再資源化

容器包装リサイクル法の特徴と対象品目

容器包装リサイクル法は、2000年に完全施行された法律で、消費者が分別排出、市町村が分別収集、事業者が再商品化するという明確な役割分担を定めています。[1]
対象品目には再商品化義務のある容器包装として、ペットボトル、ガラス瓶、紙製容器包装、プラスチック製容器包装が含まれています。一方、アルミ缶やスチール缶は再商品化義務のない容器包装に分類されており、これは既に有価物として取引されているためです。
参考)https://sanpai-media.com/column/3966

 

この法律の特徴は、製造・利用・廃棄の各段階で異なる主体が責任を担う拡大生産者責任の考え方を導入している点です。消費者は製品の長期使用やマイバッグ持参による容器包装廃棄物の排出抑制に協力する責務があります。
参考)https://www.jcpra.or.jp/law/

 

家電リサイクル法の特徴と対象品目

家電リサイクル法(正式名称:特定家庭用機器再商品化法)は、特定の大型家電製品からの有用部品や材料のリサイクルを推進する法律です。[3]
対象品目は厳格に4品目に限定されており、エアコン、テレビ(ブラウン管、液晶式、有機EL式、プラズマ式)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機となっています。令和5年12月には有機ELテレビが新たに対象品目に追加されました。
参考)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/

 

この法律の最大の特徴は、消費者がリサイクル料金と収集・運搬料金を負担する仕組みです。製造業者・輸入業者には回収とリサイクルが義務付けられており、小売業者には引取りと製造業者等への引渡しが義務づけられています。
参考)https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000369358.html

 

建設リサイクル法による特定建設資材の分別解体

建設リサイクル法(正式名称:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)は、特定建設資材の分別解体等・再資源化等を促進し、資源の有効活用と廃棄物の適正処理を図る法律です。[6]
対象となる特定建設資材は、コンクリート(プレキャスト板等を含む)、コンクリート及び鉄から成る建設資材、アスファルト・コンクリート、木材の4種類です。
参考)https://www.env.go.jp/recycle/build/gaiyo.html

 

一定規模以上の建設工事では、工事着手の7日前までの届出が義務付けられています。具体的な規模基準は、建築物の解体では床面積80㎡以上、新築・増築では床面積500㎡以上、修繕・模様替えでは請負代金1億円以上、その他の工作物では請負代金500万円以上となっています。
参考)https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000076507.html

 

食品リサイクル法における食品関連事業者の責務

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)は、食品関連事業者から排出される食品廃棄物の発生抑制と減量化により、肥料や飼料としての再生利用を促進する法律です。[8]
対象となる食品関連事業者は、食品製造・加工業者、食品卸売・小売業者、飲食店および食事提供事業者の3つのカテゴリーに分類されます。具体的には食品メーカー、スーパー、レストラン、ホテル、結婚式場などが含まれており、一般消費者は対象外です。
参考)https://toukatsuseisou.com/3077/

 

食品廃棄物等の前年度発生量が100トン以上の事業者は「食品廃棄物等多量発生事業者」として、毎年度、国への報告義務が課されています。取組の優先順位は、発生抑制→再生利用→熱回収→減量の順で設定されています。
参考)https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000062661.html

 

自動車リサイクル法の拡大生産者責任システム

自動車リサイクル法(正式名称:使用済自動車の再資源化等に関する法律)は、拡大生産者責任の考え方に基づき、自動車製造業者に廃棄とリサイクルの責任を課す法律です。[10]
この法律の特徴的な仕組みは、新車購入時に所有者がリサイクル料金を負担し、自動車リサイクル促進センターに預託する点です。自動車製造業者の義務には、シュレッダーダスト、エアバッグ、フロン類の引取りとリサイクル(フロンは破壊)が含まれています。
参考)https://www.dowa-ecoj.jp/houki/2012/20120104_01.html

 

実際のリサイクル工程では、引取業者による使用済み自動車の引取り、フロン類回収業者による回収、解体業者による部品回収、破砕業者による破砕という流れが電子マニフェストで管理されており、不法投棄防止に大きく貢献しています。

小型家電リサイクル法による希少金属の回収

小型家電リサイクル法(正式名称:使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)は、携帯電話やデジタルカメラなどからレアメタルを回収・再資源化する制度です。[11][12]
この法律は家電リサイクル法の対象4品目を除くほぼ全ての電気機械器具が対象となり、28商品分類、100品目以上の機器をカバーしています。特定品目として電子部品が多用されているスマートフォンやタブレット端末、パソコンなどは無料回収の対象です。
参考)https://www.edion.co.jp/service/relieved/recycle_small

 

国の認定を受けた再資源化事業者が広域的に回収・処理を行い、縦+横+高さの合計が120cm以下で重さが10kg以下の製品は一般的に550円(税込)のリサイクル料金が設定されています。
環境省の廃棄物・リサイクル対策ページでは、各種リサイクル法の詳細な概要と関連情報を確認できます。
経済産業省の家電リサイクル法ページでは、家電4品目の正しい処分方法とリサイクル料金について最新情報が掲載されています。