
媒介手数料(仲介手数料)とは、不動産会社が売買契約や賃貸借契約の成立をあっせん・仲介した際に、その成功報酬として依頼者から受け取る報酬を指します。
重要なポイント 🔑
媒介手数料は、不動産業者の主要収入源であり、販売活動や物件調査、契約事務などの対価として位置づけられています。この手数料制度により、不動産業者は契約成立に向けて最大限の努力を傾注するインセンティブが働く仕組みとなっています。
媒介手数料の金額は、媒介契約の種類(専属専任・専任・一般)によって変わることはありません。しかし、契約形態により手数料請求のタイミングや条件に違いが生じます。
媒介契約別の特徴 📋
契約種類 | 他社依頼 | 自己発見取引 | 手数料上限 |
---|---|---|---|
専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 同一 |
専任媒介 | 不可 | 可能 | 同一 |
一般媒介 | 可能 | 可能 | 同一 |
専属専任媒介契約では、依頼者が自ら見つけた買主と直接契約することも禁止されており、違反した場合は媒介手数料を請求される可能性があります。
媒介手数料の計算は、取引額に応じて段階的に設定された料率を適用します。
正式な計算式 💹
速算式(400万円超の場合)
売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税
例:3,000万円の物件の場合
3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円(税抜)
96万円 × 1.1 = 105.6万円(税込)
この速算式の「+6万円」は、400万円以下部分の料率差を調整するための定数です。
2024年7月1日から施行された新たな特例規定により、空き家・空き地の流通促進を目的として、800万円以下の物件について媒介手数料の上限が緩和されました。
特例規定の詳細 🏠
従来の計算式では、例えば500万円の物件の媒介手数料上限は21万円(税抜)でしたが、特例により30万円(税抜)まで受領可能となりました。ただし、この特例を適用する場合は、依頼者に対する十分な説明と同意取得が法的に義務付けられています。
適用時の注意点 ⚠️
媒介手数料には、業界特有の複雑な問題が存在します。特に「囲い込み」や「両手取引」の問題は、適切な手数料運用において重要な課題となっています。
囲い込み問題の実態 🚫
囲い込みとは、売却物件の情報を他社に開示せず、自社で買主も見つけることで両手取引を狙う行為です。両手取引が成立すると、仲介会社の手数料収入は2倍になるため、3,000万円の物件では最大192万円(税込)の収入となります。
この問題への対策として。
直接取引による手数料請求リスク ⚖️
媒介依頼者が、不動産会社の紹介で知り合った相手方と直接取引を行った場合でも、媒介手数料の支払義務が発生する可能性があります。
最高裁判例(昭和45年10月22日)では、「仲介業者を排除した直接取引であっても、条件成就の故意の妨害として手数料請求を認める」との判断が示されています。ただし、不動産会社の調査義務違反や説明義務違反による契約解除後の直接取引では、手数料請求は認められません。
手数料透明化への取り組み 🔍
近年、手数料の透明性向上を図る動きが活発化しています。
これらの取り組みにより、依頼者と不動産会社双方にとってより公正で透明性の高い取引環境の構築が進められています。