
ホームエレベーターの完全撤去にかかる費用は、50万円から300万円程度が相場となっています 。撤去工事では、まず制御盤やモーターなどの機械設備を分解・搬出し、次にカゴやガイドレールを段階的に解体します 。最終的に昇降路を閉塞し、床や壁の仕上げ工事を行うという流れになります 。
参考)https://unno-jyuban.com/blog/2720/
撤去にあたっては管轄行政への届出が必要となる場合があり、建築基準法や労働安全衛生法の対象設備として事前確認が求められます 。狭小空間での作業となるため、搬出経路の確認やクレーン・チェーンブロックなどの重機使用も考慮する必要があります。
部分撤去やリフォームなら30万円から150万円で済む場合が多く、撤去後のスペースは収納や書斎として有効活用できるメリットがあります 。
参考)https://senior-smile-navi.com/unused-home-elevator/
使わないホームエレベーターをそのまま放置しても、年間7万円から10万円の維持費が継続して発生します 。内訳は電気代が年間約1万円から2万円、メンテナンス契約が年間約4万円から7万円、固定資産税の増額分が年間約2万円となっています 。
参考)https://abc-housing.asahi.co.jp/sumai/kurashi_column/266/
固定資産税については、ホームエレベーターの設置により建物の資産価値が上がると判断されるため、年間2万円から3万円程度高くなり続けます 。固定資産税は「固定資産税評価額×1.4%」と定められており、固定資産税評価は本体価格の50%から60%程度です 。
参考)https://canaris.jp/post-3189
5年間放置すると累積で35万円から50万円の損失となるため、使用予定がない場合は早期の対処が経済的です 。
ホームエレベーターの耐用年数は25年から30年とされていますが、法定耐用年数は17年、メーカーの計画耐用年数は20年弱が一般的です 。主要部品の交換時期は制御盤が20年、巻上機(モーター)や油圧ポンプが20年から30年程度となっています 。
参考)https://smart-shuzen.jp/media/ta3rypb2a569
老朽化が進むとワイヤーロープの腐食や制御装置の不具合が発生し、エレベーター内に閉じ込められるなどの事故につながる可能性があります 。設置から15年程度で本格的な老朽化が始まり、修理費用が急増する傾向にあります 。
参考)https://live-riche.co.jp/home-elevator-removal-costs/
制御基板交換だけで50万円から80万円の高額費用がかかるため、修理か交換かの判断は安全性や家族の将来計画を見据えた総合的な判断が必要です 。
将来的に使用する可能性がある場合は、一時停止という選択肢があります。一時停止なら年間維持費を2万円から3万円に抑制することが可能で、緊急時の安全装置は最小限維持されます 。ただし、定期点検を怠ると安全装置の機能低下により事故リスクが増大するため注意が必要です。
ホームエレベーターの売却については、一般的な買取業者が存在しないのが現状です 。階段昇降機については専門の買取業者が存在し、指定機種なら高価買取と撤去費無料のサービスを提供していますが 、ホームエレベーターは買取市場が形成されておらず、現実的な選択肢ではありません。
参考)http://www.kaidan-kaitori.jp
メンテナンス契約を解除する場合は緊急時対応が困難になるなどのリスクが大きく、完全に使用を停止する場合でも最小限の保守は継続することが推奨されます 。
使わなくなったホームエレベーターのスペースは、約1坪の空間を活用してさまざまなリフォームが可能です 。収納スペースとして利用したり、書斎や小さなワークスペースに変更したりすることで、住空間の有効活用が図れます。
参考)https://www.mh-he.co.jp/family_product/reform_02/
改築による設置では屋内スペースを活用し、増築では建物の外側に設置するという2つのパターンがありますが、撤去後のリフォームでは既存の昇降路を利用した空間活用が中心となります 。木造住宅への設置実績が多いことから、構造的な変更も比較的容易に対応できる場合が多いです。
参考)https://sumai.panasonic.jp/elevator/home-elevator/reform/
ただし、エレベーター撤去用の補助金制度は一般的に存在しないのが現状です 。リフォーム費用は自己負担となるため、撤去費用とリフォーム費用を合わせた総額を検討する必要があります。将来的なメンテナンス費用や固定資産税の継続を考慮すると、長期的には経済的なメリットを得られる可能性があります。