
一般媒介契約は、売主が複数の不動産会社と同時に媒介契約を結ぶことができる契約形態です。この契約の最大の特徴は、競争原理が働くという点にあります。
一般媒介契約の主なメリットは以下の通りです。
📊 多方面からの営業活動
複数の不動産会社が同時に売却活動を行うため、より多くの買い手候補にアプローチできます。各社が独自のネットワークを活用することで、露出機会が増加します。
🎯 自由度の高さ
自己発見取引が可能で、売主自身が買主を見つけた場合は仲介手数料を支払わずに直接取引することができます。親戚や知人への売却などでは特に有利です。
⚖️ 比較検討の機会
複数の不動産会社から査定価格や売却戦略の提案を受けられるため、より客観的な判断が可能になります。
ただし、デメリットも存在します。レインズ登録や販売状況報告の義務がないため、売却活動の進捗が見えにくい場合があります。また、各社の責任意識が薄れがちで、熱心に売却活動を行わない可能性もあります。
専任媒介契約は、売主が1社の不動産会社とのみ媒介契約を結ぶ契約形態です。不動産流通推進センターの調査によると、中古物件売却において最も多く選ばれている契約方式となっています。
専任媒介契約の重要な特徴として、以下の義務が不動産会社に課せられています。
📋 レインズ登録義務
契約締結後7営業日以内に指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられています。これにより全国の不動産会社に物件情報が共有され、広範囲での買主探しが可能になります。
📞 定期報告義務
2週間に1回以上の販売状況報告が義務付けられており、売主は売却活動の進捗を定期的に把握できます。問い合わせ状況や内覧件数、価格調整の提案など詳細な情報を受け取れます。
🎯 責任の明確化
1社のみとの契約のため、売却活動に対する責任が明確になり、不動産会社のモチベーション向上が期待できます。売却が成功すれば確実に仲介手数料を得られるため、積極的な営業活動が期待できます。
また、専任媒介契約では自己発見取引が認められているため、売主が自分で買主を見つけた場合は、不動産会社を通さずに直接取引することも可能です。
専属専任媒介契約は、3つの媒介契約の中で最も制限が厳しい契約形態です。専任媒介契約との最大の違いは、自己発見取引ができないという点にあります。
専属専任媒介契約の特徴的な要素。
🔒 完全な一社専属制
売主が自分で買主を見つけた場合でも、必ず契約した不動産会社を通して取引を行う必要があります。親戚や知人に売却する場合でも、仲介手数料の支払いが発生します。
⚡ 最短登録・報告期間
レインズへの登録は契約締結後5営業日以内と最も短く、販売状況報告も1週間に1回以上と最も頻繁です。これにより、スピーディーな売却活動が期待できます。
📈 高い成約率
データによると、専属専任媒介は専任媒介よりも2.5ポイント成約率が高いという調査結果があります。頻繁な報告義務により、より積極的な売却活動が行われる傾向があります。
業界関係者によると、「専属専任と専任は、レインズ登録や販売状況報告の期間は異なりますが、正直大きな違いはなく、業界内でもほぼ同一と認識しています」という声もあります。
ただし、専属専任媒介契約では不動産会社への依存度が最も高くなるため、契約する会社選びが極めて重要になります。
実際の売却成果を比較すると、興味深いデータが浮かび上がります。一般媒介の成約率が他の契約形態よりも低い傾向があることが分かっています。
成約率に影響する要因。
📊 登録数の影響
一般媒介の成約率が低い理由として、「一般媒介は1物件に対して複数の新規登録が行われる」ことが挙げられます。同じ物件が複数の会社から重複して登録されるため、見かけ上の在庫数が増加し、成約率が下がって見える統計的な要因があります。
🎯 責任の所在による違い
専任・専属専任媒介では、1社が確実に売却責任を負うため、「販売スケジュールを立てやすく、結果的に、話がスムーズに進みやすい」という実務上のメリットがあります。
🔄 情報共有の効率性
現在では「情報を預かった瞬間にすぐにインターネットやレインズに掲載するので業者間の情報の浸透性っていうのは強い」状況にあり、囲い込みによる弊害は以前より減少しています。
実際の現場では、「一般と専任(専属専任)の割合を比較すると、一般媒介契約をするケースが5件に1件くらい。つまり、全体の20%あるかないか」という状況で、専任系の契約が圧倒的に多く選ばれています。
一般媒介契約を選択する際に注意すべき点の一つが、囲い込みリスクへの対応です。囲い込みとは、不動産会社が売主・買主双方から仲介手数料を得るために、他社からの問い合わせを意図的に断る行為です。
一般媒介特有の課題と対策。
⚠️ 報告義務の欠如
一般媒介では販売状況報告の義務がないため、売却活動の実態が見えにくくなります。対策として、契約時に定期的な報告を約束してもらうことが重要です。
🔍 活動監視の難しさ
複数社と契約していると、各社の活動状況を個別に把握するのが困難になります。定期的な連絡を取り、広告掲載状況や問い合わせ件数を確認する必要があります。
💡 効果的な活用法
人気エリアの物件や、短期間での売却を目指す場合は、一般媒介の競争原理が有効に働く可能性があります。複数社による積極的な営業活動により、早期の成約が期待できます。
現実的な運用として、「正直大きな違いはなく、業界内でもほぼ同一と認識」されている専任と専属専任に対して、一般媒介は明確に異なる特性を持つ契約形態として位置づけられています。
売主は自身の物件特性、売却期間、手間をかけられる度合いなどを総合的に判断して、最適な媒介契約を選択することが成功への鍵となります。