
一般社団法人の設立において、避けることのできない法定費用は合計で約112,000円となります。この費用は法律で定められており、どこで手続きを行っても同じ金額が必要です。
具体的な費用内訳は以下の通りです。
これらの費用は自分で手続きを行った場合の最低限必要な金額で、資本金制度がない一般社団法人でも設立手続きには必ずかかる費用です。定款認証は公証役場で行い、登録免許税は法務局で収入印紙として納付します。
一般社団法人の設立手続きを司法書士や行政書士に依頼する場合、法定費用に加えて専門家報酬が発生します。報酬相場は依頼内容や地域により異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
書類作成のみを依頼する場合:20,000円~40,000円程度
設立手続き一式(申請代行含む):50,000円~100,000円程度
最近では格安で設立手続きを提供する事務所も増えており、中には「設立費用0円」を謳う業者もありますが、これらは顧問契約が前提条件となっている場合が多いため注意が必要です。
依頼先を選ぶ際は、速さ、安さ、サービスの充実度など、何を重視するかを明確にして比較検討することが重要です。事前に複数の事務所から見積もりを取得し、契約内容をしっかりと確認することをおすすめします。
一般社団法人の設立には約2~3週間程度の期間が必要です。手続きの流れは以下のような順序で進みます:
第1週目:準備期間
第2週目:申請期間
第3週目:完了期間
不動産業界で一般社団法人を設立する場合、宅地建物取引業免許などの許認可が別途必要になる可能性があります。これらの許認可取得には追加費用と時間がかかるため、事前に所管官庁に確認することが重要です。
一般社団法人設立時には、代表印(法人実印)の作成が必須となります。印鑑作成費用は品質や販売店により異なりますが、一般的には10,000円~30,000円程度を見込んでおく必要があります。
必要な印鑑の種類と用途。
その他の必要書類準備費用として、設立時社員や理事の印鑑証明書交付手数料が約1,000円程度必要です。これは各市区町村により手数料が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
不動産業界では契約書類の取り扱いが多いため、印鑑の品質や保管方法についても慎重に検討することをおすすめします。特に代表印については、偽造防止機能の高い印鑑を選択することで、将来的なリスクを軽減できます。
一般社団法人は設立時の費用だけでなく、設立後の運営コストも考慮する必要があります。特に不動産業界では、継続的な許認可維持や更新が必要な場合があります。
年間の基本的な運営コスト
一般社団法人は「非営利法人」として位置づけられていますが、収益事業を行う場合は法人税の課税対象となります。不動産仲介や管理業務を行う場合、適切な税務処理が必要となるため、設立前に税理士との相談を推奨します。
また、一般社団法人には剰余金の分配制限があるため、事業で得た利益の使途についても事前に検討しておく必要があります。これらの特性を理解した上で、株式会社や合同会社との比較検討を行うことが重要です。
設立費用の総額は自己手続きで約13万円、専門家依頼で約18万円~25万円程度を見込んでおけば安心です。ただし、事業内容により許認可費用が追加される可能性があるため、余裕を持った資金計画を立てることをおすすめします。