
国有地の購入手続きは民間の土地取引と比較して格段に複雑で、多くのデメリットが存在します。財務局による一般競争入札が原則となっており、随意契約での直接売却は地方公共団体等への公用・公共用途を除いて行われません。
入札手続きには以下の段階があります。
この期間中に市場価格が変動するリスクがあり、計画的な事業展開が困難になる場合があります。また、入札参加には保証金の納付が必要で、落札できなかった場合でも手続きにかかった時間と労力は無駄になってしまいます。
国有地の購入では、一般的な不動産取引よりも大幅に多くの費用が発生します。数十万円規模の追加コストが必要となるケースが多く、事前の資金計画が重要です。
主要な費用項目。
特に境界確定作業では、隣接地の数や地域区分、面積によって費用が大きく変動します。都市部の狭小地では隣接地が多く、それぞれとの境界確定に時間と費用がかかる傾向があります。
国有地の一般競争入札では、複数の購入希望者による価格競争が発生し、予想を上回る高値で落札される可能性があります。特に立地条件の良い国有地では激しい入札合戦となることがあります。
入札による価格上昇要因。
また、入札時期が限定されているため、購入タイミングを自由に選択できません。事業計画との調整が困難になり、資金調達や開発スケジュールに影響を与える可能性があります。
国有地には境界未確定や登記未完了といった問題が潜在している場合があり、購入後に予想外のトラブルに発展するリスクがあります。
典型的な境界・登記問題。
これらの問題が発見された場合、解決まで長期間を要し、追加の法的手続きや費用が必要になります。特に赤地(国有地)が混在している場合は、国有地の払い下げ手続きを別途行わなければならず、さらに複雑化します。
国有地の購入では、通常の不動産取引で利用可能な住宅ローンや事業性ローンの利用が制限される場合があります。これは国有地特有の制約や金融機関の審査基準によるものです。
資金調達の制約要因。
特に借地権付きの国有地建物では、国が抵当権設定承諾を認めていないため、現金による購入が必要となります。これにより投資規模が制限され、事業展開の選択肢が狭まってしまいます。
建て替えや大規模修繕の際も、建替え承諾料と工事費用をすべて現金で用意する必要があり、資金繰りの負担が大きくなります。