
共有者の住所変更登記申請書を作成する際の最も重要なポイントは、「変更後の事項」欄において対象となる共有者を明確に特定することです。
申請書の記載例として、共有者池田優子の住所が変更された場合。
変更後の事項
共有者池田優子の住所氏名
大阪府茨木市○○二丁目5番8号
このように「共有者○○の住所氏名」と記載し、その後に変更後の住所を記載します。単独所有の場合と異なり、共有者の場合は必ず「共有者(氏名)」の文言を付加する必要があります。
📌 住所記載のルール
登記申請書の「原因」欄は、住所変更の根拠となる重要な項目です。
住所移転の場合
原因:令和○年○月○日住所移転
ここで注意すべきは、住民票に記載されている「住所移転の日付」を記入することです。届出の日ではありません。複数回住所移転している場合は、現在の住所に移転した日付のみを記入します。
氏名変更の場合
養子縁組・離縁についても婚姻・離婚と同様の取扱いとなります。
共有者の住所変更登記には、変更事実を証明する書類の添付が必要です。
住所移転の場合の添付書類
これらの書類は、登記事項証明書記載の住所から現在の住所まで のつながりを証明できるものでなければなりません。
氏名変更の場合の添付書類
登記簿上の共有者と戸籍上の人物が同一であることを証するため、本籍地の記載がある住民票または戸籍の附票の写しが必要となります。
💡 書類準備の効率化のポイント
住所移転後に婚姻により氏名変更した場合、住民票の写しで氏名変更が明らかであれば、住民票の写しのみで足ります(登研392号)。
共有者の住所変更登記における登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
登録免許税の計算例
管轄法務局は不動産の所在地によって決まります。調べ方は、インターネットで「(不動産所在市区町村名) 不動産管轄 法務局」と検索すれば確認できます。
申請人の記載
申請人は住所変更する共有者のみです。他の共有者は申請人になりません。
📋 申請時の注意事項
複数共有者が同時に同じ住所へ移転した場合
共有者全員が同じ日に同じ住所へ移転した場合、一括で申請することが可能です。
変更後の事項:共有者A及びBの住所
東京都○○区○○一丁目1番1号
この場合、原因日付と現在の住所が全員同じであることが条件となります。
順位番号が異なる共有者の住所変更
同一不動産上で複数回にわたって所有権を取得し、異なる順位番号で登記されている共有者の住所変更は、各順位番号ごとに別個の登記申請が必要となります。
令和8年4月1日からの義務化対応
2026年4月1日から、不動産所有者(共有者含む)は住所・氏名変更から2年以内の変更登記が義務化されます。違反者には過料が科される可能性があるため、共有者全員に周知することが重要です。
法務局による職権登記制度も開始予定で、住基ネットとの連携により自動的に住所変更登記が行われるケースも出てくる見込みです。
💡 実務上の独自ポイント
共有者の一人が海外転居した場合、在留証明書や署名証明書など領事館発行の書類が必要となり、手続きが複雑化します。事前に必要書類を確認し、適切な準備期間を設けることが肝要です。
法務局ホームページから申請書のひな形をダウンロードできるほか、登記申請書作成支援ソフト「かんたん登記申請」の活用も効率的です。