
住友林業の規格住宅「フォレストセレクション」は、同社の木造注文住宅の品質を維持しながら、コストを抑えた住宅商品として注目を集めています。1500通り以上の考え抜かれた間取りプランから選択できる点が最大の特徴で、完全自由設計の注文住宅と比較して約300万円程度のコスト削減が可能とされています。
規格住宅でありながら、住友林業が培ってきた木の家の魅力や洗練された内装デザイン、そして同社独自の構法技術を活用できる点で、多くの建築主から支持を得ています。特に建築業界においても、コストパフォーマンスと品質のバランスが取れた商品として評価されています。
フォレストセレクションの基本構成は、建物形状によって大きく3つのタイプに分類されます。
I型プラン
建物を東西に長く配置することで、南側に大きな窓を設置できる明るさ重視の間取りタイプです。1LDKから4LDKまで幅広いバリエーションが用意されており、特に以下の特徴があります。
L型プラン
東南に庭を設けることで、各部屋が明るく風通しの良い配置を実現するタイプです。都市部でも採光と通風を確保しやすく、以下の工夫が施されています。
コ型プラン
住宅密集地において、通風・採光とプライバシーの確保を両立できるタイプです。中庭効果により、都市部でも快適な住環境を実現します。
フォレストセレクションの価格体系は、坪数に応じて明確に設定されており、注文住宅との価格差も明確になっています。
坪数 | フォレストセレクション | 注文住宅 | 価格差 |
---|---|---|---|
28坪 | 3,920万円 | 4,312万円 | 392万円 |
30坪 | 4,170万円 | 4,587万円 | 417万円 |
35坪 | 4,760万円 | 5,236万円 | 476万円 |
40坪 | 5,360万円 | 5,896万円 | 536万円 |
この価格差は、設計費用の効率化と、標準化された仕様による量産効果によるものです。ただし、実際の建築では施主の要望に応じたカスタマイズが可能で、その場合は追加費用が発生します。
興味深い点として、規格住宅でありながらも、ベースプランにない設備の追加(1階サブ洗面台、エントランスクロークなど)も可能で、逆にベースプランにある設備(ベランダなど)を削除することでコスト調整も可能です。
建築業従事者の視点から見ると、この価格体系は非常に透明性が高く、顧客への提案時にも説明しやすい構造となっています。
住友林業の規格住宅では、平屋プランにも力を入れており、「GRAND LIFE」シリーズとして展開しています。平屋の間取りは特に以下の工夫が施されています。
デザイン性重視プラン
三角の切妻屋根とコーナーサッシを組み合わせたスタイリッシュな外観デザインが特徴です。
アシンメトリーな切妻屋根や印象的なコーナーサッシが外観にシャープな印象を加え、木質感ある玄関や軒天といった柔らかな素材と相まって、新しいのに心地良い空間を創出しています。
重厚感重視プラン
寄棟屋根とタイルで構成したファサードによる、時代を超えて愛されるデザインが特徴です。
深い軒下を活かしたテラス空間から豊かな時間が広がる設計となっており、耐久性とデザイン性を両立させた普遍的な美しさを追求しています。
建築業界では、平屋住宅の需要が高まっており、特に住友林業の平屋規格住宅は、構造計算の複雑さを標準化により解決している点が評価されています。
規格住宅でありながら、フォレストセレクションでは一定のカスタマイズが可能です。実際の建築事例を見ると、以下のような変更が行われています。
水回り設備のカスタマイズ
収納計画のカスタマイズ
リビング空間のカスタマイズ
これらのカスタマイズは、基本プランをベースとしながらも、住友林業の設計士との協議により実現されています。建築業従事者としては、規格住宅でありながらこれだけの柔軟性を持つ点は特筆すべき特徴と言えます。
実際の建築事例を分析すると、住友林業の規格住宅がどのように活用されているかが明確になります。
平屋事例(約40坪)
静岡県で建築された事例では、延床面積131.63㎡(39.8坪)の平屋で、庭を楽しみながら親世帯との理想的な距離感を実現しています。特徴として。
2階建て事例(30坪台)
愛知県の事例では、延床面積110.49㎡(33.4坪)で2階LDKを採用し、バルコニーを「庭」として楽しむ設計となっています。
3階建て事例(約50坪)
石川県の事例では、延床面積166.81㎡(50.4坪)でBF構法を活用した連続窓により、美しい川の流れを楽しむ家となっています。
これらの事例から、規格住宅でありながらも立地条件や施主の要望に応じた柔軟な対応が可能であることが分かります。建築業界の視点では、規格住宅の概念を超えた提案力の高さが評価できます。
住友林業の構造技術である「ビッグフレーム(BF)構法」は、規格住宅においても活用されており、大開口や大空間を実現する技術的基盤となっています。これにより、規格住宅でありながらも設計自由度を確保している点は、他社との大きな差別化要因となっています。