
ユニットバスのサイズ規格は、各メーカー共通で「1616」「1818」のように、幅と奥行の内寸の数字で表されます。たとえば1616サイズの浴室は、幅1600mm×奥行1600mmということになります。
この数字表記システムは建築業界で標準化されており、最初の2桁が幅(cm)、後ろの2桁が奥行き(cm)を表しています。例えば。
また、坪数での表記も併用されており、「0.75坪」「1坪」といった表記が一般的です。浴槽の長辺は幅の長さに合わせるのが一般的で、各パーツのサイズは規格に合わせて予め決められているため、浴槽の種類は選べてもサイズを変更することは基本的にはできません。
🏗️ 建築業者向けポイント
設計図面での確認時は、ユニットバスの壁の厚みは床面積の坪数に含まれないため、実際の設置スペースとの違いに注意が必要です。
戸建て住宅では、一般的に「1216」「1616」のサイズが標準とされています。特に1坪に対応する「1616」は奥行1600mm×幅1600mmで、足を伸ばしてゆったり入れるサイズとなっています。
0.75坪サイズ(コンパクトタイプ)
1坪サイズ(標準タイプ)
1.25坪サイズ(ゆったりタイプ)
1.5坪サイズ(広々タイプ)
メーターモジュールを採用した住宅では、1mを基本寸法とする設計基準により、一般的な尺モジュールの基準より浴室空間が広くとれます。戸建て用ユニットバスの最大サイズは「1624」(1.5坪)サイズで、内寸法は160×240cmとなっています。
マンション用ユニットバスは、構造上の制約により戸建て用とは異なるサイズ展開となっています。標準的なサイズは「1418」「1620」などで、マンションの構造躯体に合わせた設計が特徴です。
マンション用主要サイズ規格
マンション用の最大サイズは「1620」(1.25坪)サイズで、内寸法は160×200cmとなっています。
🔧 施工時の注意点
マンションでは梁や配管の位置により、規格サイズでも設置できない場合があります。事前の現地調査で構造体の制約を十分に確認する必要があります。
また、マンションリモデルバスルームでは「J」表記(例:1216J)が使用され、マンション特有の構造に対応した仕様となっています。
既存浴室からユニットバスへリフォームする際の測定は、内法(うちのり)寸法を正確に計測することが重要です。この測定により、設置可能なユニットバスサイズを予測できます。
測定手順とポイント
💡 現場測定のコツ
解体前の測定では、タイルや既存設備の厚みを考慮する必要があります。また、現場によっては既存のお風呂よりワンサイズ大きめのユニットバスが入れられることが稀にありますが、解体してからでないと分からないこともあります。
洗い場スペースの計算方法
洗い場の幅は「ユニットバスの奥行き内径 - 浴槽の幅」で算出できます。たとえば1620サイズのユニットバスの場合、「2000mm(ユニットバスの奥行きの内径)-700mm(浴槽の幅)=1300mm(洗い場の幅)」となります。
🚧 施工計画への影響
解体を待ってからでは商品の発注及び納期が遅れてしまうため、施工会社との事前打ち合わせで複数パターンの商品選定を検討することが重要です。
ユニットバスのサイズ選定では、初期費用だけでなく長期的な使用価値を考慮した費用対効果の分析が重要です。この視点は従来の記事では詳しく触れられていない独自の観点となります。
サイズ別コストパフォーマンス分析
0.75坪サイズ(1216等)
1坪サイズ(1616等)
1.25坪以上(1620等)
📊 建築事業者向け提案ポイント
クライアントの家族構成、年齢、将来的なバリアフリー需要を考慮した提案により、顧客満足度の向上と差別化が図れます。特に高齢者世帯では、介護を見据えた1616サイズ以上の提案が長期的な価値を提供します。
また、リセールバリューの観点から、標準的な1616サイズの選択は将来の売却時にも有利に働く傾向があります。逆に、コンパクトすぎるサイズや過度に大きなサイズは、購入層を限定する可能性があることも説明材料として活用できます。
地域特性による選定指針
寒冷地では保温性能の観点から大きすぎるサイズは推奨されない場合があり、都市部の狭小住宅では限られたスペースでの最適解を提案する必要があります。