扶養控除の23歳以上学生における特定扶養控除から一般扶養控除への変更点

扶養控除の23歳以上学生における特定扶養控除から一般扶養控除への変更点

23歳以上の学生における扶養控除の変更について、特定扶養控除から一般扶養控除への移行条件と2025年税制改正による影響を詳しく解説します。どのような影響があるでしょうか?

扶養控除の23歳以上学生における控除額変更

23歳以上学生の扶養控除概要
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控除額の変化

23歳に達すると特定扶養控除(63万円)から一般扶養控除(38万円)へ変更

💰
年収制限

2025年改正により123万円まで一般扶養控除の対象範囲が拡大

⚖️
税負担の増加

親世代の税負担が年間約6.2万円増加する可能性

扶養控除の23歳以上学生が対象となる一般扶養控除の基本要件

23歳以上の学生は、特定扶養控除の対象年齢(19歳以上23歳未満)を超えるため、一般の控除対象扶養親族として取り扱われます。一般の控除対象扶養親族の控除額は、所得税で38万円、住民税で33万円となっており、特定扶養控除の63万円(住民税45万円)と比較すると大幅に控除額が減少します。
参考)https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202508/0819.html

 

2025年の税制改正により、一般の控除対象扶養親族の年収要件が103万円から123万円に引き上げられました。これにより、23歳以上の学生でも年収123万円以下であれば、親の扶養控除の対象として維持できるようになります。
参考)https://edenred.jp/article/workstyle-reform/198/

 

年末時点の年齢で判定されるため、23歳の誕生日を迎えた年から控除額が変更になることを理解しておく必要があります。
参考)https://www.f-academy.jp/contents/column/?p=2729

 

扶養控除の23歳以上学生における税負担の具体的な増加額

23歳以上の学生を扶養している場合、親の税負担は大幅に増加します。特定扶養控除(63万円)から一般扶養控除(38万円)への移行により、控除額の差額は25万円となります。住民税についても、45万円から33万円への変更で12万円の差額が生じます。
課税所得が330万円超695万円以下の世帯を例にすると、所得税率20%、住民税率10%が適用されるため、所得税で5万円、住民税で1.2万円の増税となり、合計6.2万円の負担増となります。一方、22歳まで学生で23歳から社会人となり扶養控除の対象外となる場合は、所得税12.6万円、住民税4.5万円で合計17.1万円の増税となります。
この負担増は家計に大きな影響を与えるため、事前の計画的な対策が重要になります。

扶養控除の23歳以上学生が活用できる勤労学生控除制度

23歳以上の学生であっても、勤労学生控除を活用することで本人の税負担を軽減できます。勤労学生控除は、給与所得などの勤労による所得があり、合計所得金額が85万円以下(2025年改正後、給与収入150万円以下)の学生が対象となります。
参考)https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/93227/

 

控除額は一律27万円で、この制度により本人の所得税を軽減できます。ただし、勤労学生控除を利用して本人の所得税が0円になっても、年収が123万円を超えると親の扶養控除からは外れるため注意が必要です。
参考)https://townwork.net/magazine/knowhow/taxes/42916/

 

勤労学生控除の適用を受けるには、学校教育法に規定する学校の学生・生徒・児童であることが条件となります。

扶養控除の23歳以上学生における社会保険扶養の境界線

税制上の扶養控除とは別に、社会保険の扶養にも注意が必要です。現在、健康保険の被扶養者認定基準は年収130万円未満が一般的ですが、19歳以上23歳未満の学生については2025年10月から150万円未満への引き上げが予定されています。
参考)https://www.mh5.jp/announce_86513.html

 

しかし、23歳以上の学生については、従来通り年収130万円未満の基準が適用されます。これは、23歳に到達する年の1月1日以降に基準額が元に戻ることを意味します。
参考)https://www.kouritu.or.jp/topics/kumiai/fuyou_20250812/index.html

 

社会保険の扶養から外れると、本人が国民健康保険や国民年金に加入する必要が生じ、月数万円の負担増となる可能性があります。

扶養控除の23歳以上学生が知るべき効率的な年収調整戦略

23歳以上の学生は、税制と社会保険の両面を考慮した年収調整が重要になります。年収を123万円以下に抑えることで、親の一般扶養控除の対象を維持できます。さらに、本人の勤労学生控除(150万円以下)も併用することで、税負担を最小限に抑制できます。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-payroll/exemption-for-dependents/

 

社会保険の扶養を維持したい場合は、年収を130万円未満に抑える必要があります。ただし、106万円以上で勤務先が大企業の場合は、週20時間以上の勤務により社会保険への加入義務が生じる可能性があるため注意が必要です。
参考)https://mag.smarthr.jp/hr/procedure/tokuteishinzoku_tokubetsukojo/

 

年収が188万円以下であれば特定親族特別控除の対象となりますが、これは19歳以上23歳未満の親族に限定されるため、23歳以上の学生は対象外です。
国税庁による扶養控除の詳細な解説と最新の控除額について
日本年金機構による健康保険の被扶養者認定基準と手続き方法について
厚生労働省による2025年度税制改正の詳細資料と社会保険への影響について