
確定測量とは、土地の面積や形状を正確に測量することに加えて、隣接する土地(隣接地)や道路との境界を確定するために行う測量です。境界を確定するには、隣接地の所有者や道路の管理者などに立ち会ってもらい、すべての境界について承諾を得る必要があります。
この測量は専門家である土地家屋調査士によって実施され、測量結果を記した「確定測量図」もしくは「確定実測図」、隣接地の所有者との境界を確認した「境界確認書」、道路管理者に道路との境界を確認した「道路確認書類」などの書類一式が作成されます。
確定測量の最も重要な特徴は、法的効力を持つことです。土地の境界(筆界)を確定するための測量であり、売買や土地を分ける分筆登記には必要不可欠な手続きです。登記簿に記載されている面積が必ずしも正確ではないことが多く、特に古い土地では明治時代の地租改正の際の面積がそのまま使われていることもあります。
現況測量とは、土地をそのまま見た目の広さや位置で測量することで、「仮測量」と呼ばれることもあります。多くの場合、現地の境界標やフェンス、ブロック塀などで囲われた範囲を測量し、土地のおおまかな現状を把握するために行われます。
現況測量の主な目的は、土地の現状を確認し、そのおおまかな形状や面積を把握することです。土地の取引や開発の初期段階で利用されることが多く、土地の現況を迅速に確認したい場合に役立ちます。しかし、境界線の調査や法的な確定は行わず、正確な境界を示すものではないため、法的な効果はありません。
建築計画を立てるために必要な情報を収集する目的でも利用され、土地の面積や形、既存の建物の位置、敷地の高低差、隣接する土地や建物の状況、接している道路の幅や電柱の有無、越境物の有無、真北測定などを行います。
確定測量と現況測量の最も決定的な違いは、確定測量が隣接地の所有者などの承諾を得て境界が確定しているのに対して、現況測量では境界が確定していない点です。これにより、現況測量で作成された「現況測量図」は参考程度にしかなりません。
法的効力の違い
測量精度の違い
適用場面の違い
現況測量で得られる面積は「現況面積」と呼ばれ、後に確定測量を実施した際の「確定実測面積」と異なる場合が多く、特に境界が曖昧な場合は注意が必要です。
確定測量の費用は土地の面積、形状、隣接地の数によって大きく変動しますが、一般的な住宅地の場合、以下の相場が目安となります。
費用の内訳と相場
費用には測量作業費、図面作成費、各種申請手続き費、隣地所有者との立会い調整費などが含まれます。特に官民境界の確定が必要な場合は、道路管理者との協議や申請手続きが加わり、費用が増加する傾向があります。
手続き期間の目安
全体として3ヶ月~6ヶ月程度が標準的な期間ですが、隣地所有者との調整が難航した場合や、境界に争いがある場合は1年以上かかることもあります。
現況測量は様々な場面で活用されますが、その限界を理解しておくことが重要です。主な活用場面と注意点について詳しく解説します。
建築設計での活用
建物を建築する際には、土地の高低差や形状を正確に把握する必要があります。現況測量は建築計画の基礎データとして役立ち、設計図面作成の前段階で実施されることが一般的です。ただし、建築確認申請や完了検査では境界の明確化が求められるため、最終的には確定測量が必要になる場合があります。
土地売買での初期検討
土地の売買時には、購入者が土地の現状を把握するために現況測量を行うことがあります。土地の広さや形状を確認できるため、購入後の利用計画を立てやすくなります。しかし、実際の売買契約では境界の明確化が必要となり、確定測量の実施が求められるケースが多くなっています。
現況測量の限界と注意点
現況測量の最大の限界は、境界線の法的な確定ができないことです。現況面積はあくまで参考値であり、後に確定測量で修正されることが頻繁にあります。特に以下の点に注意が必要です。
実務では、現況測量を実施した後、必要に応じて確定測量に移行することが多く、初期段階での判断が重要になります。コストを抑えたい場合は現況測量から開始し、段階的に確定測量を検討するアプローチも有効です。
土地の境界に関する専門知識については、国土交通省が提供する地籍調査に関する情報が参考になります。