
構造計算において基礎設計は建物全体の安全性を左右する重要な工程です。基礎の構造計算では、建物ごとにモデルを作成し、鉛直荷重(建物自重、積載荷重、積雪荷重等)や水平荷重(地震力、風圧力等)を考慮した精密な計算が求められます。
許容応力度計算では以下の手順で基礎設計を行います。
基礎梁上端主筋中心と基礎梁下端の距離、開口部下の主筋配置など、詳細な計算パラメータの設定が必要です。特に木造住宅では、基礎の仕様決定は地質調査データを良く見て専門家がきちんと決める重要事項となっています。
ベタ基礎の構造計算では、従来の基礎梁と耐圧版を別々に計算する方法ではなく、基礎梁と耐圧版を合わせて立体的に計算する手法が注目されています。
ベタ基礎設計の主要メリット:
耐圧版は建物の荷重と同じ圧力を地面から受けますが、地盤から均等に力が押されるのではなく、小さなバネが複数あると仮定するため、力のかかり具合によって耐圧版にはゆがみが生じます。このため、耐圧版の厚さや鉄筋の太さを適切に設計することが求められます。
強い基礎を設計するためには、上部建物によって生じる力の分布に応じて適切に基礎梁を配置する必要があります。特にビルトインガレージなど、スパン(支点間距離)が大きい部分には、地面下からの圧力により反りが生じやすいため、梁の断面や主筋の本数を決定しながら慎重に設計することが重要です。
基礎の構造計算において地盤調査との連携は不可欠です。地盤と建物をつなぐ基礎も、構造計算で強度を証明する必要があります。
地盤調査連携の重要ポイント:
耐震構法SE構法では、地盤調査に基づき基礎の構造計算を全棟で実施しています。これまでの木造住宅における基礎の構造計算では、基礎梁と耐圧版それぞれにかかる建物の負荷を別々に計算していましたが、大規模物件同様の計算手法を取り入れることで、基礎梁と耐圧版とを合わせて立体的に計算することが可能になっています。
住宅を支える基礎構造は、地耐力や地域特性などを総合的に判断して設計すべきものです。FEM解析により、建物に伝わる力を解析することで、地盤に応じた強固な基礎設計を実現できます。
構造計算では建物の規模と要求性能に応じて適切なルートを選択する必要があります。基礎設計においても、このルート選択が重要な判断要素となります。
各ルートの特徴と適用基準:
ルート1(許容応力度計算)
ルート2(許容応力度等計算)
ルート3(保有水平耐力計算)
基礎設計では、上部構造の計算ルートに対応した設計手法を選択することが重要です。特に中規模木造では、スパンや階高が大きくなる傾向があり、仕様規定の基準サイズを超える場合は構造計算による安全性の確認が不可欠となります。
基礎の構造計算では、一般的に知られていない設計上の落とし穴が存在します。これらの対策を理解することで、より安全で経済的な基礎設計が可能になります。
見落としがちな設計リスク:
独自の対策アプローチ:
建築確認における構造審査の円滑化を図るため、一貫構造計算プログラムの特性把握が重要になっています。特に梁段差のモデル化など、実際の施工条件を正確に反映した計算モデルの構築が求められます。
また、小規模建築物基礎設計指針等をもとにした構造計算と、木造軸組工法住宅の仕様書による設計の使い分けも重要なポイントです。住宅の場合、基礎の設計方法は大きく分けて2つの選択肢があり、建物の規模や用途に応じた適切な選択が必要となります。
実務上の注意点:
これらの対策により、基礎設計における潜在的リスクを最小化し、長期的な建物性能の維持が可能になります。