
2025年度の低炭素住宅補助金制度は「住宅省エネ2025キャンペーン」として実施され、国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携による大規模な事業となっています。最も注目すべき変更点は、新たに「GX志向型住宅」カテゴリーが創設されたことです。
2025年の主要な補助金額
これは従来制度から大幅な見直しが行われており、2024年の最大100万円から160万円へと60万円の増額となっています。一方で、長期優良住宅は100万円から80万円へ、ZEH住宅は80万円から40万円へとそれぞれ減額されており、より高い省エネ性能を求める政府の方針が明確に示されています。
予算規模についても、GX移行債を活用して2,250億円(新築1,850億円、リフォーム400億円)という過去最大規模の予算が確保されています。これにより、より多くの世帯が補助金の恩恵を受けることが期待されています。
低炭素住宅として認定を受けるためには、厳格な基準をクリアする必要があります。認定制度は平成24年12月に施行された「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」に基づいて運用されています。
必須要件
さらに、以下8項目のうち2つ以上を満たすことが求められます。
節水対策
エネルギーマネージメント
ヒートアイランド対策
建築物の低炭素化
2025年の補助金制度では、住宅の性能レベルによって対象となる世帯が細かく分けられています。この仕組みにより、限られた予算を効率的に配分することを目指しています。
GX志向型住宅(160万円)
長期優良住宅(80万円)
ZEH水準住宅(40万円)
申請期間は2025年12月31日までとなっていますが、予算上限に達した時点で受付終了となるため、早期の申請が重要です。第1期の申請受付は既に終了しており、現在は第2期・第3期の受付が順次行われています。
低炭素住宅の認定を受けることで得られるメリットは、補助金だけに留まりません。住環境の向上と長期的な経済メリットを享受できる点が大きな特徴です。
住環境面でのメリット
経済的メリット
容積率の緩和措置も重要なメリットの一つです。低炭素化に必要な設備(蓄電池、コージェネレーション設備等)については、延べ床面積の20分の1まで容積率に算入されないため、実質的により広い住空間を確保することが可能です。
低炭素住宅の補助金制度は、他の住宅支援制度との併用が可能な場合があります。これにより、さらなる経済メリットを享受できる可能性があります。
地域型住宅グリーン化事業との併用
国土交通省の「地域型住宅グリーン化事業」では、低炭素住宅に対して最大140万円の補助金が支給されます。ただし、主要構造部が木造であることなどの追加要件を満たす必要があります。
住宅ローン減税制度
2025年度の住宅ローン減税では、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の借入限度額が4,500万円に設定されています。これは一般住宅の3,000万円と比較して1,500万円の上乗せとなります。
フラット35Sとの組み合わせ
住宅金融支援機構のフラット35では、低炭素住宅は金利Aプランに該当し、当初10年間0.25%の金利引き下げが適用されます。この制度と補助金制度は併用可能で、総合的な住宅取得コストの大幅な軽減が期待できます。
ただし、制度によっては併用に制限がある場合もあるため、申請前にハウスメーカーや工務店、金融機関との綿密な相談が不可欠です。複数制度を活用することで、数百万円規模の経済メリットを享受できる可能性があります。