
「空き家差し上げます」とは、所有者が不要となった空き家を無償で第三者に譲渡する取引を指します。これは法的には「土地と建物の無償譲渡」という取引に該当し、個人間で行われる場合は贈与契約として扱われます。
実際に、全国各地でこのような無償譲渡物件は存在しており、自治体の空き家バンクや「みんなの0円物件」などのマッチングサイトで確認することができます。特に、長野県軽井沢町、栃木県那須町、静岡県熱海市、千葉県勝浦市など「空き家率」の高いエリアでこうした物件が多く見られる傾向があります。
なぜ無料で空き家を手放すケースが生まれるのでしょうか。主な理由として以下の3つの要因が挙げられます:
これらの負担を回避するため、所有者が「無料でも良いから手放したい」と考えるケースが増加しているのです。特に相続で取得した空き家の場合、維持管理の負担から解放されたいという動機が強く働きます。
無償譲渡の空き家を探す方法として、以下のようなルートが存在します:
自治体の空き家バンク
多くの自治体が運営する空き家バンクでは、0円物件として無償譲渡物件が掲載されています。移住促進の一環として、条件付きで無償提供される場合もあります。
民間マッチングサイト
「みんなの0円物件」をはじめとした民間のマッチングサービスでは、全国の無償譲渡物件が一覧で確認できます。物件の写真や基本情報、連絡先などが掲載されています。
地域の不動産業者
地元密着の不動産業者は、表に出ない無償譲渡案件を把握している場合があります。直接相談することで、非公開の物件情報を得られる可能性があります。
「無料」という言葉に惹かれがちですが、実際には複数の税務リスクが存在します:
贈与税の課税対象
個人から個人への無償譲渡は贈与に該当し、土地と家屋の固定資産税評価額が110万円を超えた場合、超過分に贈与税が課せられます。贈与税率は財産の評価額によって10%~55%と幅広く設定されているため、事前の試算が必要です。
登記費用や諸経費
物件が無料でも、所有権移転登記にかかる登録免許税、司法書士費用、印紙代など、数十万円の諸費用は必要になります。これらの費用は譲り受ける側が負担するのが一般的です。
不動産取得税
不動産を取得した際に課せられる不動産取得税も、無償譲渡の場合でも対象となります。税額は固定資産税評価額の3%(住宅用地は軽減措置あり)となるため、事前の確認が重要です。
無償取得した空き家を効果的に活用するための独自の戦略として、以下のような手法が注目されています。
リモートワーク拠点としての再生
都市部から離れた立地を逆手に取り、静かな環境を活かしたリモートワーク専用施設として整備する事例が増加しています。最低限のインターネット環境と基本的な設備を整えることで、月数万円の賃料収入を得ることも可能です。
体験型宿泊施設への転換
農業体験や田舎暮らし体験を提供する簡易宿泊施設として活用し、都市部からの旅行者をターゲットにした収益化モデルも有効です。民泊許可を取得すれば、合法的な宿泊業として運営できます。
地域コミュニティハブ化
地域住民との交流拠点として活用し、イベントスペースやワークショップ会場として提供することで、地域活性化に貢献しながら収益を上げる手法も存在します。自治体からの補助金や支援を受けられる場合もあります。
このような特殊な活用方法を検討する際は、建築基準法や消防法などの法的制約を事前に確認し、必要な許可や届出を適切に行うことが重要です。また、近隣住民への説明と合意形成も欠かせません。