
埋立地とは、海や湖などの水域に土砂や廃棄物を大量に投入して人工的に造成された土地を指します 。埋立地の造成は、水中に土砂を積み上げて水面よりも高い位置に土地を作る方法で行われます 。
参考)https://ichics.cocolog-nifty.com/blog/2022/11/post-8c8d9e.html
埋立地の特徴として、海面よりも高い位置に造成されるため、干拓地と比較すると相対的に安全性が高いとされています 。しかし、軟弱地盤であることには変わりがなく、地盤沈下のリスクがあり、住宅地としては十分な注意が必要です 。
参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms/65/11/65_832/_article/-char/ja/
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埋立地は主に工業用地や住宅地、商業用地として利用される傾向があり、東京湾岸エリアや大阪湾岸などの都市部では住宅地としても活用されています 。
参考)https://www.weblio.jp/content/%E5%9F%8B%E7%AB%8B%E5%9C%B0
干拓地とは、遠浅の海や干潟、水深の浅い湖沼を堤防で仕切り、その内部の水を抜き取ったり干上がらせることで陸地にした土地です 。干拓地は「水を抜いて干上がらせる」という意味で、土砂を投入する埋立とは根本的に異なる造成方法です 。
参考)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B2%E6%8B%93
干拓地の大きな特徴は、海面よりも低い位置にできることが多く、さらに塩分を含んだ土壌であることです 。このため農地化する際には、塩分とともに水を排水する設備の設置が必要不可欠となります 。
参考)http://www.jiid.or.jp/ardec/ardec45/ard45_key_note1.html
地盤についても軟弱であり、特に宅地としては適していないとされています 。日本では有明海沿岸での干拓事業が最も規模が大きく、主に農業用地として利用されています 。
参考)https://www.eheya.net/terms/detail/3992/
埋立地の造成では、「山ひとつ分の土」が必要とされるほど大量の土砂を必要とします 。水域に土砂や建設残土を投入し続けることで、水面よりも高い位置まで土地を盛り上げる工法が採用されています 。
一方、干拓地の造成は「海を堤防で閉め切るだけ」で、土地の造成自体は埋立より手間がかからないとされています 。具体的には、干拓堤防(潮受け堤防)で水域を仕切り、水門を設けて内部の水を排水する方法です 。
ただし、干拓地の造成には特殊な自然条件が必要で、「よほど遠浅か、潟のできる自然条件が揃っていないと行うことができない」という制約があります 。
埋立地では、軟弱地盤による地盤沈下が重大な問題となります 。特に水深の深い場所に埋め立てを行った場合、土の重量が粘土層の強度を超えて沈下が発生することが予想されています 。
参考)http://www.daido-it.ac.jp/~t-sumi/poroj/last-rep/02.pdf
地盤沈下は一度起きると「二度と同じ高さまで戻ることができない」不可逆的な現象であり 、建物の不同沈下により構造物に深刻な影響を与える可能性があります 。
参考)https://hanteishi.org/chubu/wp-content/uploads/2022/05/%E8%A9%B1%E9%A1%8C%E6%8F%90%E4%BE%9B02_%E5%B1%85%E5%B7%9D.pdf
現在では、粘弾性構成式や弾粘塑性構成式による沈下解析技術が発達し、FE解析ソフトによる予測精度も向上していますが 、それでも建設前の詳細な地盤調査と適切な地盤改良工事が不可欠とされています 。
参考)https://sooki.co.jp/irental/howtorental/column/land-subsidence/
干拓地では塩害が最も深刻な問題となります 。海水に由来する高濃度の塩分が土壌中に残留し、作物の生育に大きな障害をもたらします 。
参考)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E9%A1%9E%E9%9B%86%E7%A9%8D
干拓地での除塩作業には特殊な問題があり、「淡水を用いた除塩が進行すると、土中水の塩分濃度が低下し、拡散二重層間の反発力が増大して土が分散し、分散した粒子が透水間隙を閉塞する」という現象が発生します 。
さらに海岸干拓地では、「土壌中にも地下水中にも塩類が含まれており、さらに波しぶきが大気中に飛散して干拓農地に降り注ぐ塩害も続く」という継続的な塩害リスクに直面します 。このため農業利用においても、長期的な除塩対策と排水設備の維持管理が必要不可欠です。