
不動産の権利証(登記済証・登記識別情報)を紛失した場合、公証役場での公証人による本人確認は最も実用的な解決方法の一つです。権利証は再発行ができないため、売却や抵当権設定の際には代替手段が必要となります。
公証役場での手続きは、以下の流れで進行します。
この方法の最大のメリットは、費用が3,500円と比較的安価である点です。司法書士による本人確認情報の作成と比べて大幅にコストを削減できます。
公証人による本人確認には、通常の登記手続きとは異なる特殊な要件があります。最も重要な点は、委任状の記載内容です。
通常の委任状では「年月日売買」と記載されますが、公証人の認証を受ける場合は「年月日売買予定」と記載する必要があります。これは、売買決済日や抵当権設定日より前に公証役場で手続きを行うためです。
また、この書式は法務局によって異なる可能性があるため、管轄の法務局への事前確認が重要です。実際の手続きでは以下の点に注意が必要です:
この制度はあまり一般的に利用されておらず、ベテランの司法書士でも経験がない場合があります。そのため、事前の準備と確認が特に重要となります。
公証人による本人確認には、司法書士による本人確認と比べて固有のリスクが存在します。最も重要な懸念事項は、「公証人の認証が後日の訴訟で無効になった場合、責任の所在が曖昧になりかねない」ことです。
具体的なリスクとして以下が挙げられます。
そのため、専門家は以下の条件が揃った場合のみの利用を推奨しています:
🔍 意外な情報:公証人による本人確認制度は法的に認められているにも関わらず、実務ではほとんど利用されていません。これは手続きの煩雑さと責任リスクが主な理由とされています。
権利証紛失時の対応方法は3つありますが、それぞれ特徴が大きく異なります。
事前通知制度
司法書士による本人確認情報
公証人による本人確認
専門家が推奨する優先順位は、①事前通知制度(可能な場合)、②司法書士による本人確認情報、③公証人による本人確認となっています。
権利証紛失に気付いた際は、公証役場以外にも複数の相談窓口があります。それぞれの特徴を理解して適切に活用することが重要です。
主要な相談窓口
📞 公証役場での相談は、権利証について一から丁寧に説明してもらえ、現在の状況に最適な対応についてアドバイスを受けることができます。また、必要に応じて後日必要な書類を用意して本人確認の準備を進めることも可能です。
緊急時の対応策
権利証紛失に気付いた場合は、以下の点も同時に確認する必要があります。
🛡️ 重要な防止策:登記識別情報を紛失した場合は「登記識別情報の失効申出」により、12桁のパスワードの効力を永続的に失効させることができます。この制度には期間制限がないため、不安を解消する有効な手段です。
これらの対応を適切に行うことで、権利証紛失によるリスクを最小限に抑え、必要な登記手続きを安全に進めることができます。