専任媒介賃貸仲介手数料の相場と大家負担について

専任媒介賃貸仲介手数料の相場と大家負担について

専任媒介契約を結んだ賃貸物件の仲介手数料について、法律上の上限額や貸主・借主の負担割合、契約形態の違いによる影響を詳しく解説します。不動産従事者として知っておくべき専任媒介の実態とは?

専任媒介賃貸における仲介手数料

専任媒介賃貸の仲介手数料の仕組み
📋
法律上の上限額

賃料1か月分の1.1倍が上限、借主・貸主双方から受け取り可能

💰
専任媒介の特徴

1社専属契約により手数料率や負担割合で優遇が期待される

🏢
実務上の負担割合

入居者100%負担が一般的だが貸主負担割合での差別化も

専任媒介賃貸仲介手数料の法的上限と相場

賃貸における専任媒介契約でも、仲介手数料の法的上限は宅地建物取引業法第46条により明確に定められています。
法律上の上限額

  • 双方から受け取る仲介手数料の合計上限:賃料1か月分の1.1倍(消費税込)
  • 借主または貸主一方からの上限:賃料1か月分の0.55倍(承諾がない場合)
  • 承諾があれば一方から賃料1か月分の1.1倍まで受け取り可能

実際の市場では、専任媒介契約であっても手数料は入居者(借主)が100%負担する物件が多数を占めています。これは専任媒介に関わらず、賃貸仲介業界の慣習として定着している現状です。
月額家賃10万円の場合の仲介手数料例

  • 上限額:11万円(税込)
  • 借主50%・貸主50%負担の場合:各5.5万円
  • 借主100%負担の場合:11万円

専任媒介契約における仲介手数料の交渉ポイント

専任媒介契約では、1社との独占契約となるため、仲介手数料の負担割合や料率について交渉の余地が生まれます。
専任媒介での手数料交渉要素

  • 契約期間の長さによる優遇措置
  • 複数物件の一括委託による割引
  • 貸主の手数料負担割合の調整
  • 広報活動の充実度に応じた料率設定

従来の一般媒介では複数社に依頼するため価格競争が働きやすいのに対し、専任媒介では独占的な契約関係により、サービス内容と手数料のバランスを個別交渉できる特徴があります。

 

ただし、宅建業法により定められた上限を超える手数料設定は法律違反となるため、専任媒介であっても法的制限内での交渉となります。
不動産会社の収益構造

  • 成功報酬制:契約成立時のみ発生
  • 広告費や営業活動費は原則として仲介手数料に含まれる
  • 特別な広告や遠方調査などは別途請求可能な場合もある

専任媒介賃貸の手数料支払いタイミングと方法

専任媒介による賃貸契約でも、仲介手数料の支払いタイミングは売買取引と異なる特徴があります。
賃貸における支払いタイミング

  • 契約締結時の一括払いが原則
  • 初期費用(敷金・礼金・前家賃)と合わせて支払い
  • 成約前の支払い義務なし(成功報酬制)

売買の専任媒介では契約時と引渡し時の分割払いが一般的ですが、賃貸では契約時の一括支払いが標準となっています。これは賃貸契約の特性上、契約締結と入居が同時期に行われることが多いためです。
支払い方法の特徴
📋 銀行振込が最も一般的
📋 現金払いは減少傾向
📋 クレジットカード決済対応の会社も増加
📋 分割払いは原則として受け付けない
専任媒介契約において、仲介手数料の支払いを分割にしたい場合は、契約前の交渉が必要です。ただし、多くの不動産会社では一括払いを前提とした業務フローを採用しているため、分割対応は限定的となっています。

 

専任媒介賃貸における手数料無料・半額のからくり

専任媒介契約を結んだ賃貸物件でも、「仲介手数料無料」や「半額」をうたう不動産会社が存在します。このビジネスモデルの背景を理解することが重要です。
手数料減額の主なパターン

  1. 貸主負担100%モデル:入居者の手数料を無料にし、貸主から手数料を受領
  2. 広告料収入モデル:貸主から別途広告料を受け取り、仲介手数料を減額
  3. 他サービス収益モデル:保険や家具レンタル等の付帯サービスで収益確保

専任媒介では独占契約のメリットを活かし、貸主との関係性を深めることで手数料以外の収益源を確保しやすくなります。

 

注意すべきポイント
⚠️ 手数料無料でも他の費用が高額になる場合がある
⚠️ サービス品質の低下リスク
⚠️ 契約後の追加費用発生の可能性
⚠️ 更新時の条件変更
手数料の減額や無料化には必ず理由があり、専任媒介の場合は特に、長期的な収益モデルを理解した上で契約することが賢明です。

 

専任媒介賃貸で知られていない手数料負担の実態

専任媒介契約における仲介手数料の負担について、業界内で意外と知られていない実態があります。

 

地域別の負担慣習の違い

  • 首都圏:借主100%負担が約8割
  • 関西圏:借主70%・貸主30%負担が一定数存在
  • 地方都市:貸主負担割合が高い傾向
  • 法人契約:企業が100%負担するケースも

専任媒介では、このような地域特性を活かした柔軟な料金設定が可能になります。競合他社との差別化要素として、手数料負担の工夫が重要な戦略となっています。
業界内での隠れた慣習
🔍 大手管理会社の系列店では貸主負担が多い
🔍 地場の不動産会社では交渉余地が大きい
🔍 築年数や立地条件により負担割合が変動
🔍 更新時の手数料は慣習的に無し
また、専任媒介契約では更新時の取り扱いについても特別な配慮がなされることがあります。初回契約時の手数料を高めに設定する代わりに、更新時の手数料を免除したり、長期契約者に対する優遇措置を設けたりする事例も見られます。

 

国土交通省の統計によれば、専任媒介契約を結んだ賃貸物件の約60%で、貸主が何らかの形で手数料負担に関与しているという実態もあります。これは一般媒介との大きな違いの一つといえるでしょう。

 

賃貸仲介業界の構造変化に伴い、専任媒介における手数料体系も多様化が進んでいます。従来の固定的な手数料から、サービス内容に応じた柔軟な料金設定への移行が、特に専任媒介分野で顕著に表れています。