都市計画決定とは手続きと告示から効力発生まで

都市計画決定とは

都市計画決定とは、地域地区、都市施設、市街地開発事業などの様々な都市計画を正式に決定することを指します 。具体的には、将来のまちづくりに必要な用途地域や道路、公園などの都市施設等の都市計画を、都市計画法に基づく一定の手続きにより決定することです 。
参考）https://www.mec-h.com/words/detail?n=204

 

都市計画決定には二つの意味があります 。狭い意味では、都市計画法第20条第1項による「都市計画の告示」により、都市計画が正式に効力を発生することを指します。広い意味では、「都市計画の案の作成」から「都市計画の告示」に至るまでの決定手続全体を表します。
参考）https://www.livable.co.jp/yogo/204/

 

都市計画には地域地区、都市施設、市街地開発事業など様々なものがありますが、いずれも地域の土地利用や地域の発展に大きな影響を及ぼすため、都市計画を決定するにあたっては詳細な手続きが法定されています 。

都市計画決定の意義と目的

都市計画決定は、無秩序な都市開発を防ぎ、計画的なまちづくりを実現するための重要な制度です 。都市における住居、商業、工業といった土地利用は、似たようなものが集まっていると、それぞれにあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができますが、種類の異なる土地利用が混在していると、互いの生活環境や業務の利便が悪くなります 。
参考）https://iqrafudosan.com/channel/urban-planning-japan

 

そこで都市計画では、都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」として定めることで、土地利用の方向づけを行っています 。このような計画的な土地利用規制により、良好な都市環境の形成と効率的な都市機能の配置を実現することが都市計画決定の目的です。
参考）https://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/page/0000005121.html

 

都市計画決定は単なる行政手続きではなく、将来の都市像を具現化する重要な政策決定でもあります 。東京都や大阪府などの自治体では、広域的・根幹的な都市計画については都道府県が、身近な都市計画は市町村が決定することとしており、適切な役割分担によってまちづくりを進めています 。
参考）https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/basic/singikai/aramashi/seido_1

 

都市計画決定の対象となるもの

都市計画決定の対象となるものは、都市計画法で定められた様々な要素があります。主なものとして、まず地域地区があり、これには用途地域をはじめ、特別用途地区、高度地区、防火地域などが含まれます 。用途地域は13種類に分類され、第一種低層住居専用地域から工業専用地域まで、それぞれ建築可能な建物の種類や規模が細かく規制されています 。
参考）https://www.city.echizen.lg.jp/office/070/020/koukai/toshikeikakuan.html

 

次に都市施設として、道路、公園、上下水道、学校、病院などの公共施設があります 。これらの都市施設は、都市の骨格を形成し、住民の生活に不可欠な基盤となるものです。道路については、都市計画道路として計画決定されると、その区域内での建築行為に制限が生じることになります 。
参考）https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/toshi/15/2335.html

 

さらに市街地開発事業として、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業などがあります 。これらの事業は、既存市街地の整備や新市街地の開発を計画的に行うためのもので、事業区域内では特別な規制や誘導措置が適用されます。
参考）https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/49/3/49_483/_article/-char/ja/

 

都市計画決定の権限と決定主体

都市計画の決定権限は、都市計画の種類や規模によって都道府県と市町村に分かれています 。根幹となるものや大規模なものについては都道府県が決定し、それ以外の小規模なものは市町村が決定することが原則です 。
参考）https://takken-success.info/horeiseigen/d-10/

 

具体的には、市街地開発事業予定区域の指定は都道府県が行い、地区計画については市町村が決定します 。また、2つ以上の都府県にわたる都市計画区域においては、国土交通大臣が決定することになります 。
重要なのは、市町村が定めた都市計画と都道府県が定めた都市計画が抵触する場合、その部分については都道府県が定めた都市計画が優先されることです 。これは都市計画の統一性と広域調整を図るための仕組みです。
用途地域については、かなり細かく分けられるため市町村が決定しますが、用途制限に関する具体的な規制の内容については建築基準法に定められています 。このように都市計画法と建築基準法が連携して、計画的な土地利用規制を実現しています。

都市計画決定の手続きの流れ

都市計画決定の手続きは、都市計画法により詳細に規定されています 。手続きの流れは、まず都市計画の案の作成から始まります 。この段階では、必要があると認められる場合に、住民の意見を反映させるための必要な措置として公聴会等の開催を行います 。
参考）https://smtrc.jp/useful/glossary/detail?n=204

 

次に、作成した都市計画案を公告し、公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければなりません 。この縦覧期間中に、関係住民や利害関係人は都市計画案について意見書を提出することができます 。
参考）https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/keikakunitsuite/tetsuzuki/tetsuzukinagare.html

 

都市計画の決定は、都道府県または市町村の都市計画審議会の議を経て行われます 。都道府県が決定する場合は関係市町村の意見を聴く必要があり、国の利害に重大な関係がある都市計画を決定する場合は、あらかじめ国土交通大臣に協議し同意を得る必要があります 。
参考）https://www.pref.osaka.lg.jp/o140020/sokei/tosikeikakuseido/index.html

 

市町村が都市計画を決定する場合は、都道府県知事に協議しなければなりませんが、同意は不要です 。最終的に都市計画が決定された時は、その旨を告示することになります 。

都市計画決定の効力と制限

都市計画の告示があった日において、都市計画は正式に効力を生じることとされています 。告示の日から都市計画施設の区域内の制限、市街地開発事業の施行区域内の制限、市街地開発事業等予定区域の区域内の制限などが適用されることになります 。
都市計画決定により生じる制限は段階的に設けられています。計画決定段階では、計画が決まっただけで具体的にいつ事業を実施するかは未定のため、あまり厳しい制限を課すことができません 。一方で、事業決定後は具体的な事業実施が予定されるため、より厳しい建築制限が適用されることになります 。
参考）https://iqrafudosan.com/channel/keikaku-kettei

 

都市計画道路を例にとると、一度計画決定されると何年先に事業決定されるかわからない計画に対して、土地所有者は厳しい規制を受け続けることになります 。このような長期間の制限により、土地利用に大きな影響を与える可能性があります。
参考）https://ki-bo-baikyaku.jp/blog/20240611-7746/

 

都市計画決定の効力は、土地の価値や利用方法に直接的な影響を与えるため、不動産取引や建築行為を行う際には必ず確認が必要な事項となっています 。また、固定資産税や都市計画税の課税にも関係するため、税負担にも影響を与えることがあります 。
参考）https://www.semanticscholar.org/paper/3150860834ea0888afca52d210800ef8bdf1156f