
固定資産税の計算は、土地と建物それぞれに対して「評価額×1.4%」の税率で算出されます。しかし、マンションと戸建てでは評価額の構成比が大きく異なります。
計算式の基本構造
マンションの場合、購入価格に占める建物の割合が約7割、土地の割合が約3割となります。一方で戸建ての場合は、土地の価格が約7割、建物の価格が約3割と正反対の構造になっています。
この価格構成の違いが、固定資産税の税額に大きな影響を与える重要なポイントです。土地に対する軽減措置の方が建物よりも手厚いため、土地の割合が高い戸建ての方が一般的に有利とされています。
住宅用地と建物には、それぞれ異なる軽減措置が設けられています。これらの制度を理解することで、より正確な税額予測が可能になります。
住宅用地の軽減措置(小規模住宅用地の特例)
新築建物の軽減措置
マンションは「1室=1戸」として扱われるため、200㎡以下の小規模住宅用地の特例を受けやすくなります。一方で戸建ては敷地面積が広い分、より多くの土地に対して軽減措置の恩恵を受けられる可能性があります。
建物の価値は築年数とともに減価償却により下がっていきますが、マンションと戸建てでは減価の速度が異なります。
耐用年数の違い
マンションの方が耐用年数が長いため、建物価値の下落がゆるやかです。つまり、築年数が経過しても比較的高い固定資産税が続く傾向にあります。
一方で戸建ては建物価値の下落が早い分、早期に固定資産税が下がりますが、土地の価値は変わらないため、長期的には土地に対する税額が主要な負担となります。
新築時から築浅期:建物評価額が高いマンションの方が税額が高くなる傾向
築年数経過後:建物価値が下がっても土地価値が残る戸建ての方が税額が高止まりする傾向
効果的な節税対策を実施することで、固定資産税の負担を軽減できます。特に新築住宅では複数の軽減措置を組み合わせることが重要です。
具体的な計算例(東京都内マンション想定)
築5年以内の場合。
節税のポイント
これらの軽減措置は令和8年3月31日まで適用されるため、計画的な活用が重要です。
また、都市計画税も併せて課税される地域では、固定資産税と合算して年間の税負担を計算する必要があります。都市計画税は地域によって税率が異なるため、物件選びの際は必ず確認しておきましょう。
不動産投資や住宅購入において、固定資産税は重要な判断材料となります。単純な税額比較だけでなく、長期的な視点での総合的な検討が必要です。
投資収益性の観点
マンション投資では、建物価値の減価が緩やかなため、売却時の資産価値を保ちやすい特徴があります。一方で、固定資産税は高止まりする傾向があるため、年間の保有コストが高くなります。
戸建て投資では、土地の価値が資産の中心となるため、立地の良い物件であれば長期的な資産価値の維持が期待できます。固定資産税も建物の減価とともに下がりますが、土地部分の税額は維持されます。
キャッシュフロー計算での注意点
地域特性による選択
都心部では土地価格が高いため、戸建ての固定資産税負担が重くなります。郊外では土地価格が抑えられているため、戸建てでも税負担を抑えやすくなります。
マンションは立地に関係なく建物価値が評価の中心となるため、地域による税額差は比較的小さくなります。
このように、固定資産税の負担は物件の種別、築年数、立地条件によって複合的に決まります。不動産購入や投資を検討する際は、初期費用だけでなく、長期的な保有コストとしての固定資産税も含めた総合的な判断が重要です。