固定資産いくらから課税される基準と評価額の計算方法

固定資産いくらから課税される基準と評価額の計算方法

固定資産税はいくらから課税されるのか、10万円や30万円の基準の違いと評価額の算出方法について詳しく解説します。新築住宅や土地の軽減措置も知りたいですよね?

固定資産いくらから計上される基準

固定資産計上の基本ルール
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10万円が基本基準

取得価額10万円以上で固定資産として計上、減価償却の対象となる

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特例制度の活用

30万円未満は少額減価償却資産として一括経費処理が可能

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付随費用も含める

送料、設置工事費なども取得価額に含めて判定する

固定資産における10万円基準の判定方法

固定資産として計上するかどうかの基本的な判断基準は、取得価額が10万円以上かどうかです。この10万円という金額は「取得価額」と呼ばれ、単純な購入金額だけでなく、事業で使用できる状態にするために必要な付随費用も含めて計算します。
例えば、99,800円のエアコンを購入し、工事費が5,000円かかった場合、合計104,800円が取得価額となるため固定資産として計上する必要があります。このように、送料や設置工事費なども含めた総額で判定することが重要です。
一方で、取得価額に含めなくてよい費用もあります。

  • 不動産取得税や自動車取得税
  • 登録免許税や登記にかかる費用
  • ローンで購入した場合の割賦手数料

これらの租税公課や金融費用は、取得価額から除外して処理することが可能です。

固定資産税における30万円未満の特例制度

中小企業等(資本金1億円以下で青色申告書を提出する法人)については、30万円未満の資産に対して「少額減価償却資産の特例」が適用されます。この特例を利用することで、通常は減価償却が必要な固定資産であっても、取得した事業年度に全額を経費として計上できます。
特例の適用条件:

  • 資本金が1億円以下の中小企業等であること
  • 青色申告書を提出していること
  • 年間の合計適用額が300万円以下であること

この特例制度により、例えば25万円のコピー機を購入した場合、通常であれば5年間で減価償却するところを、購入年度に全額経費計上が可能になります。

固定資産評価額の算出方法と基準

固定資産税の計算における評価額は、土地と建物で異なる算出方法が用いられます。
土地の評価額:
地価公示価格等の7割を目途に評価額が算出されます。簡易的な目安として、購入金額の7割程度が固定資産税評価額となることが一般的です。
建物の評価額:
再建築価格を基準とし、経過年数による価値の減少を加味して計算されます。建物には電気設備や給排水設備、冷暖房設備といった建物付属設備も含めて評価されます。
固定資産税額の計算式。
固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)
都市計画税が課税される地域では、さらに0.3%以下の税率が加算されます。

固定資産における住宅用地の軽減措置制度

住宅用地については、税負担を軽減する目的から課税標準の特例措置が設けられています。この軽減措置により、固定資産税額を大幅に削減することが可能です。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分):

  • 固定資産税の課税標準額が1/6に減額
  • 都市計画税の課税標準額が1/3に減額

一般住宅用地(200㎡を超える部分):

  • 固定資産税の課税標準額が1/3に減額
  • 都市計画税の課税標準額が2/3に減額

例えば、面積100㎡、固定資産税評価額3,000万円の住宅用地の場合。
3,000万円 × 1/6 × 1.4% = 7万円となり、通常の42万円から大幅に軽減されます。

固定資産における償却資産申告の独自基準

意外に知られていないのが、法人税法上の少額減価償却資産の特例(30万円未満)を適用した資産であっても、固定資産税の償却資産申告では課税対象となることです。
償却資産の申告における特徴。

  • 取得価額の**最低5%**まで評価額が下がる独自ルール
  • 評価額150万円未満の場合は固定資産税が免税
  • ソフトウェアや特許権などの無形固定資産は対象外
  • 一括償却資産(20万円未満で3年償却)は申告対象外

この制度により、会計上は即座に経費処理した30万円未満の資産でも、固定資産税の課税対象として継続的に申告が必要になる場合があります。特に機械装置や工具器具備品を多数保有する事業者は、この点に注意が必要です。

 

償却資産の評価は、取得時期・取得価額・耐用年数により償却計算を行って算出され、3年ごとに見直しが行われます。