
建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合を示す重要な指標です。建築面積とは、建物を真上から見たときの水平投影面積のことで、2階建て以上の建物では最も広い階の面積が採用されます。
計算式:建ぺい率(%)= 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100
例えば、敷地面積100㎡の土地に建築面積50㎡の建物を建てる場合、建ぺい率は50%となります。この数値が、その地域の指定建ぺい率以下であることが建築許可の条件となります。
建築面積の算出において注意すべきポイントは以下の通りです。
建築業従事者にとって、正確な建築面積の算出は設計段階での重要な作業です。計算ミスがあると建築確認申請で問題となり、工事の遅延や設計変更が必要になる可能性があります。
容積率は敷地面積に対する延床面積の割合を示し、建物の規模を制限する重要な指標です。延床面積は各階の床面積を合計した面積で、階数が多いほど大きくなります。
計算式:容積率(%)= 延床面積 ÷ 敷地面積 × 100
具体的な計算例として、敷地面積140㎡の土地に1階110㎡、2階90㎡の建物を建てる場合。
容積率の計算で考慮すべき特殊事項。
建築業従事者が把握しておくべき実務的なポイントとして、容積率の緩和制度を活用することで、より効率的な建築計画が立てられることがあります。特に住宅建築では、地下室や車庫の緩和制度を適用することで、実質的な居住空間を拡大できる場合があります。
現在、多数の建ぺい率・容積率計算サイトが提供されており、建築業従事者の業務効率化に貢献しています。主要な計算サイトの特徴は以下の通りです。
不動産ツールドットコム
calculator.jp
tako-tubo.com
計算サイトを選ぶ際のポイント。
建築業従事者が計算サイトを効果的に活用するためには、複数のサイトで結果を確認し、計算の妥当性を検証することが重要です。また、特殊な条件がある場合は、サイトの計算結果を参考にしつつ、建築基準法の条文を直接確認することも必要です。
建築基準法では、用途地域ごとに建ぺい率と容積率の上限が定められています。建築業従事者は、計画敷地の用途地域を正確に把握し、該当する制限値を確認する必要があります。
住居系地域の制限値
用途地域 | 建ぺい率(%) | 容積率(%) |
---|---|---|
第1種低層住居専用地域 | 30、40、50、60 | 50、60、80、100、150、200 |
第2種低層住居専用地域 | 30、40、50、60 | 50、60、80、100、150、200 |
田園住居地域 | 30、40、50、60 | 50、60、80、100、150、200 |
第1種中高層住居専用地域 | 30、40、50、60 | 100、150、200、300、400、500 |
第2種中高層住居専用地域 | 30、40、50、60 | 100、150、200、300、400、500 |
商業・工業系地域の制限値
用途地域 | 建ぺい率(%) | 容積率(%) |
---|---|---|
近隣商業地域 | 60、80 | 100、150、200、300、400、500 |
商業地域 | 80 | 200~1300(100刻み) |
工業地域 | 50、60 | 100、150、200、300、400 |
工業専用地域 | 30、40、50、60 | 100、150、200、300、400 |
用途地域の確認方法。
建築業従事者が注意すべき点として、同じ用途地域内でも自治体によって具体的な数値が異なる場合があります。また、複数の用途地域にまたがる敷地では、面積按分による計算が必要になります。
建築実務において、標準的な計算方法では対応できない特殊事例が存在します。建築業従事者が遭遇する可能性の高い事例と対応方法を解説します。
複数用途地域にまたがる敷地の計算
敷地が複数の用途地域にまたがる場合、面積按分による加重平均で建ぺい率・容積率を算出します。
計算例。
角地緩和制度の適用
角地に建つ建物では、建ぺい率が10%緩和される場合があります。適用条件。
前面道路幅員による容積率制限
指定容積率に加えて、前面道路の幅員による制限があります。
実際の容積率は、指定容積率と前面道路制限の小さい方が適用されます。
建築面積算定の特殊事例
これらの特殊事例では、計算サイトでは正確な結果が得られない場合があるため、建築基準法の条文確認や建築主事への相談が必要です。建築業従事者は、標準的な計算サイトの結果を参考にしつつ、個別の条件に応じた詳細検討を行う必要があります。